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「ごちそーさまでした」
お腹いっぱいで満足そうな笑顔のトガを筆頭に、皆でちゃんと手を合わせて挨拶する。
辺りには幸せそうな空気が漂っていた。
「お片付けするのです」
「いーよいーよ、トガちゃんはお風呂行っといで。沸かしといたから」
「はーい、Mr.!」
「死柄木弔、ケチャップが…」
「ん」
「はい、取れました」
「おいお前ら手伝え!」
「スピナー洗い物してるのか!偉いな!俺なら絶対見習わないぜ!」
「うるせェ…」と横で悪態をつく蒼炎の青年はいたが、まあ楽しそうで何よりな家主だった。
面倒くさがり≒平和主義は伊達ではない。
「荼毘」
「…ん?」
スピナーとコンプレス、トゥワイスが軽口を叩きながらもキッチンに立つのをソファの背もたれ越しに流し見た後、ふとAが荼毘に言った。
荼毘は他のメンバーとの受け答えには決して用いない穏やかな声色で返す。
「
質問の意図が全く読めない荼毘だったが、Aが物事を一々深く考える人間ではないことは分かっているので、こちらもさほど熟慮せず正直に答えた。
「…ああ。楽しいよ」
お前もいるしな、という一言は我ながらクサすぎると思ったので飲み込んだ。
しかしAはそんな短い返答でも納得したようで、小さくコク、と頷いて
「よかったね」
と、珍しいことに笑った。
普段全然笑わなかったり、表情の動かないヤツの笑顔とは信用できるものだ。
不器用そうに、慣れてなさそうに緑色の目を細めた彼に、荼毘の脳内ではある日の記憶が再上映された。
荼毘が彼隅家に居候して、一年が経とうとした頃だった。
「なんで俺を置いてくれるのか」といった旨の質問だったと思うが、実際は違うかもしれない。
とにかく、Aの返事がそれとあまり噛み合ってなかった記憶がある。
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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです!! (4月1日 8時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます!とっても励みになります!!もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります!! (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい! (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠瀬 | 作成日時:2024年3月11日 11時