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そう言って間を開けた死柄木は、少し考えたようにも見えたし、ずっと仕舞っていて、表に出す機会のなかった理由を引っ張り上げてきたようにも見えた。





とにかく、彼は顔を覆っていた剥製を丁寧に外して、意外にも真摯に答えてくれた。







「俺と、おまえたちの為だ」





死柄木の素顔をAが見たのは、なんだかんだでその時が初めてだった。







「向こうは連合の機動力を削ぎ且つ、有用なおまえらを懐柔したいんだろう。

外堀から取り込んで従えたいんだ。



ハナから対等になんて考えてもいないのさ。


トゥワイス、責任取らせろと言ってたな。
こういう取り方もある。






俺は、おまえたちを信じてる」

































そうして納得したトガとトゥワイスが八斎會へ出向してから数日後。




なぜだかトラックに揺られているA、御年25也。




トガから電話がきたかと思えば荼毘に奪われ、荼毘が話すのかと思えばコンプレスに回された携帯に首を傾げていた。





荼毘を介す必要あったか?


なんかトガに当たり強くないか?






Aの首元に残された噛み跡の恨みを、荼毘がまだ根に持っているとは想像もしていないAだった。








「将棋ってさ…ようするに玉を奪ればいいんだよな?」







トラックのコンテナの上にしゃがみ込み、いつものように剥製をくっつけた死柄木が子どものような理解度で言った。


未だ電話で話し込んでいるコンプレスと共に、コンテナの扉を開け放しながらの荼毘が「そう単純じゃねえぞ」と上を見上げる。


当の荼毘も、別に将棋が強いわけではない。







「おいトカゲ、フラついてんぞ。俺酔いやすいんだ」




「トカゲは駄目だ!スピナーだ!!
ゲームで鍛えた俺のドライビングに文句でも!?」



「何キレてんだうぜェ」






理不尽。


荼毘には少々子供っぽいところがあるのをAは知っている。


だからこそ、彼が妙に大人びていたらキモチワルイので大声で「気をつけろ」とは言えない。






まあ自分に実害はないし、という思考回路の彼は、やはり敵に染まってきていた。

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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです!! (4月1日 8時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます!とっても励みになります!!もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります!! (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい! (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:篠瀬 | 作成日時:2024年3月11日 11時

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