Ep.14＿オーバーホール ページ30
オーバーホールと対面してから数日経った頃、夏も終わり涼しいと言うには少しすさんだ風が吹き始めた日のことだった。
荼毘はすぐ近くにあったはずの温もりが消えたことで目を覚ました。
早朝からこの広い家中を探索に出るしかないと高を括り寝室を出たのに、すぐ近くにAはいた。
扉が開いたままの洗面所で体を折り、唇の端から胃酸と唾液を溢し咳き込んでいる。
不調の原因は見当がつくが、連日まともに食べてないせいで吐きたくてもできないのだろう。
苦しそうに喘ぐAに、どうすべきかと戸惑いながらも痩せた背をさすってやれば、それでやっと荼毘の存在に気づいたらしい。
「水、飲めよ。胃空っぽだろ」
荼毘がそう言うと、Aはなんとか息を戻して顔を上げる。差し出されたコップを素直に受け取り、嘔気ごと胃液に焼かれた喉奥に流し込むように水を呷った。
「…たすかる」
未だ咳を繰り返しながらも呟いたAに荼毘は何も言わず背を撫で続けてやる。
「落ち着いたか？」
「…ん…ありがとう」
冷えた体を温めるように抱きしめれば、疲れ切ったようにAは荼毘に身を預けた。
死柄木達他のメンバーがまだ起きていなくて幸いだった。
黒霧辺りは気を遣って出てこないのかもしれないが、「二人だけ」を感じられる久しぶりの空間に、荼毘も家にいたはずなのにやっと帰ってきた感覚だった。
「死体、初めてだったか」
「当たり前でしょ…」
人並み以上に肝が据わっているとはいえ、裏社会にどっぷりの他の連合メンバーとは違って、彼はまだ逃亡幇助、公務執行妨害くらいしか罪が無いのだ(※今のところ)。
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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです！！ (4月1日 8時) (
レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます！とっても励みになります！！もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります！！ (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい！ (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠瀬 | 作成日時：2024年3月11日 11時
