Ep.12＿飲み会 ページ25
ある日の荼毘は、すっかり暗くなった空の下を一人歩いていた。
もちろん、フードや伊達メガネやマスクで、その端正且つ印象に残りやすい顔を隠している。
彼はお使い中であった。
酒が飲みたいと急に言い出したコンプレスに、成人組が次々と賛成し気づいた時には冷蔵庫とクローゼットのどこかで眠っていたビールが引っ張り出されていた。
荼毘自身酒は好きでも嫌いでもないが、酔って呂律が回らなくなり普段より幼くなるAを見るのは当然好きだった。
いやもう本当に。襲いたいくらい。
今日もきっとお目にかかれるであろう光景を想像しニヤける顔に、夏の夜の風が程よく涼しい。
ジャン負けしてパシリを押し付けられた時は、全員追い出してやろうかと画策したが考え直してやってもいいだろう。
ルンルンで玄関ドアを開けた荼毘は、しかしリビングを見渡した途端にスンッと無表情になった。
「…なんで」
お使いから帰ってきたと思えば、なぜかコンプレスの腕に抱かれ眠っているA。
しかもその顔は酒が回っているせいで普段より血色が良く、布の薄い部屋着が少しはだけているせいで事後に見えなくもないのが荼毘の神経を逆撫でした。
なけなしの自制心から事情を聞いてみれば、曰く
死柄木は壊されそうで怖い。
トガは刺されそうで怖い。
スピナーは爆睡。
トゥワイスはうるさい。
「消去法で俺が引き受けた」
「死ね」
即行でAをコンプレスから剥ぎ取り、自分の膝 の上で抱える。
「………んん…？」
だが、移動に加え近くで口論されたことで起きてしまったA。
自分の体制と荼毘との位置関係に一瞬フリーズするも、アルコールでやられた脳は考えることを放棄した。
「……荼毘…？」
「ん」
Aも連れてけばよかったと後悔しながらも、コイツをこの形で見下ろすのも悪くない、とか、なんかえろくね？とかぐるぐる考えていたところで。
「……おかえり…」
爆弾が投下された。
相対的に上気して見える顔色に、蕩けたような視線。
そして曖昧に開かれた小作りな唇から零れたそれは、荼毘の自制心を見事にぶっ壊した。
あれ、Aの"個性"って崩壊だったっけ。
「…ぇ、」
公衆の面前で唇を合わせる二人。結構ディープな代物を。
「トガちゃん見ちゃダメ！！」
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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです！！ (4月1日 8時) (
レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます！とっても励みになります！！もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります！！ (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい！ (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠瀬 | 作成日時：2024年3月11日 11時
