Ep.11＿帰宅 ページ23
次にAが目を覚ましたのは、その日の午後だった。
自宅のベッドで、いつものように眠っていた。
荼毘が隣りにいるのもいつも通りで、神野で起きた出来事は全て夢だったのではないかと思ってしまったが、ガリガリの身体の箇所に残る鈍痛がそれを否定していた。
AFOは連合をAの家へ転送したらしい。
なぜここを選んだかは察しがつく。
彼隅家は現在、Aの両親が住んでいることになっている。
当の彼らは息子の記憶を失い別の場所にいるのだが、それに政府やヒーローが気づくことは、まああったとしても相応の時間を要するだろう。
「…身体、大丈夫か」
寝室から直通の洗面所で顔を洗い、戻ってきたAにいつの間にか起きていた荼毘が訊く。
「…痣できた」
あの古豪グラントリノと才能マン爆豪を相手にし、素人のAがそれで済んだのが奇跡とも言えるのだが、Aは痛みからくる機嫌の悪さを隠そうとしない。
「だろーな。湿布でも貼ってやるからこっち来い」
お言葉に甘えるとしよう。
だっていつもは、僕がやってあげてるんだから。
・
「お。起きてんじゃん」
おはようコンプレス。寝室の扉がガラッと開き、相変わらず仮面をつけた彼の顔(？)が覗く。
「…てか何してんの？何してたの？」
彼がそんな疑問を抱くのも当然だった。
お決まりのフード付きのパーカーをベッドに脱ぎ捨てて骨の浮いた上半身を露出させ、荼毘にその華奢な身体を預けた様子のA。
心做しかその顔は疲れて見えるが、対して荼毘の表情にはどこか楽しんでいるような色がある。
極めつけは、先程ドア越しに聞こえてきた、「待って」や「無理」というAのくぐもった声。
コンプレスは目の前の光景に、亜音速で答えを導き出した。
「…トガちゃんの前では控えろよ！」
コンプレスが去りシンとなった寝室には、はてなを浮かべるAとクククと笑いをこらえる荼毘がいた。
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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです！！ (4月1日 8時) (
レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます！とっても励みになります！！もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります！！ (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい！ (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篠瀬 | 作成日時：2024年3月11日 11時
