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Aが根明だとは流石に言わないが、数日の付き合い、しかもどちらかというと面倒も見てやっていたのに。
とAは不貞腐れながら爆豪の腕から抜け出そうと"個性"の発動を試みる。
傍目にはAが人質に取られた体だが、生憎彼に爆破は効かない。
空気中の助燃性のない物質のみを集めて壁を作られるからだ。
地味と言ってしまえば否定できないが、使い勝手の良いこの"個性"。
ちなみに、ただ物理攻撃を不可能にする場合にはただ密度を上げてやるだけで障壁を作れるのだが、火は勝手が違うので少々面倒である。
「A!!」
「平気。早く逃げよ」
つい先程までノックアウトされていたのはそっちのくせに、爆豪のもとから脱出したAの細腕を荼毘はがっしり掴んで離さない。
Aに逃げられ爆豪がバランスを崩したところをコンプレスがすかさず手を伸ばすも、間一髪で躱され、その拍子に爆豪の視線が上がった。
何に気づいたか、彼は爆破源である掌を地面に向ける。
死柄木が真っ先に気づくも遅かった。
爆豪は連合の手が届かない宙へ飛び、そこで待ち構えていた雄英生に彼は救出された。
取り逃がした。
AFOまで引っ張り出したのに。
荼毘が放った蒼炎も、一人の雄英生による氷結で相殺され届かない。
気づけば、追いついてきたグラントリノにAやマグネらも倒されている。
「ジジイ…!」
荼毘が先刻の仕返しとばかりに彼に火を向けるも、やはり命を奪うまではいかなかった。
「やられたな。一手でキレイに。形勢逆転だ」
AFOが黒霧を使った時と同様の黒い鞭のような"個性"を使い、気絶しているマグネの「磁力」を強制発動させる。
黒霧のゲート付近にいた紅一点であるトガにはN極の、それ以外の連合にはS極の磁界が発生し、彼らはトガに引き寄せられた。
そのままの勢いで、気絶したメンバーも含めた連合全員はゲートの中に消えていく。
「待て…ダメだ。先生!
その身体じゃあんた…ダメだ…」
死柄木が未練がましく手を伸ばしたのが、グラントリノの蹴りを食らい朦朧とするAの視界の隅に映った。
「俺まだ____」
「弔。君は戦いを続けろ」
AFOがそう死柄木に告げた声が、意識が沈むギリギリに聞こえた。
神野の悪夢に、日が差してきた頃のことだった。
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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです!! (4月1日 8時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます!とっても励みになります!!もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります!! (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい! (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠瀬 | 作成日時:2024年3月11日 11時