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「……ふざけるな。
こんな…こんな…あっけなく…
失せろ…消えろ…」
まるでうなされているような死柄木に、オールマイトは強く問いただす。
「奴は今、どこにいる?!死柄木!!」
だかもちろん、死柄木にそれが届くはずもなく。
「お前が!!嫌いだ!!」
そう叫ぶ死柄木に、Aは初めて共感した。
ささやかなシンパシーも束の間、瞬間死柄木の背後に現れた脳無達に騒然となったその場。
何もないところから現れた黒い液体はいくつもの脳無を吐き出し、逆に敵連合と爆豪の体を飲み込み、バーから彼らを攫った。
そして、敵連合が次に地に足をつけた時、待っていたのは案の定____
「……先生」
首から上を全て真っ黒な装置で覆った、長身にスーツの男。
「また失敗したね弔。
でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した」
この子もね、と爆豪を指して彼は続ける。
「君が大切なコマだと考え判断したからだ。
いくらでもやり直せ。
そのために
すべては、君のためにある」
そう言って死柄木へ手を差し伸べる先生___もといオールフォーワンはやはり、どこまでも勝手な人間である。
そんな彼へ、同様に勝手な人間、要はヒーローが殴りかかっていくのを、Aは白けた目で見ていた。
・
オールマイトとAFOが激しい戦闘を繰り広げる横で、Aは未だ意識のはっきりしない荼毘の背をゆする。
「荼毘、荼毘、起きて」
「…あぁ…?…あ"ーー…うぜェ、誰だよあのジジイ…」
そう悪態をつきながら、荼毘は蹴られた後頭部をさする。
大事には至っていないようでひとまず安心だった。
しかし、AFOが黒霧の個性を強制発動させ逃走の目処がたったと思えば、Aのすぐ近くで繰り返される爆発。
トガやトゥワイスを始めとした連合相手に、爆豪が連れて行かれてたまるかと暴れているのだ。
「うわ、っ…?!」
危ないところを避けたかと思えば、背後に回られ、Aは簡単に折れてしまいそうな細い首を掴まれてしまった。
「抵抗すんなよ根暗野郎!!」
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篠瀬(プロフ) - 金爽さん» こちらこそ、読んでいただき、コメントもくださりありがとうございます😆そう言っていただけると本当に嬉しいです!! (4月1日 8時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
金爽(プロフ) - あ、、さ、さいこう。ありがとう、ござい、ます。 (4月1日 0時) (レス) @page35 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ありがとうございます!とっても励みになります!!もっと面白い話をお届けできるよう、これからも頑張ります!! (3月27日 10時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
本好き - 面白かったです(^o^) 更新頑張って下さい! (3月27日 9時) (レス) @page25 id: 6183cd2648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:篠瀬 | 作成日時:2024年3月11日 11時