Ep.96＿創造主 ページ11
それに不愉快そうに眉をひそめ、ピーターがAの額に銃口を押し付ける。
「パスコードを言え。
僕は奴らとは違う。女だろうが特上だろうが、撃たない理由はない」
『頼み方がなってないなあ。まあどうせ言わないんだけど』
後ろ手に拘束されているとは考えられない口調で、Aはまあ煽る煽る。
『自分達でできないから脅すんでしょう。でも91194は教えてあげないの。ザマァ見なよ』
「…よほど死にたいように見える。
その望みならすぐ叶えてやれるぞ。
来い。
アンドリュー」
その時初めて、Aの表情が動いた。ナイジェルやヴィンセントも、顔を歪ませる。
アジトに彼は残っていなかった。案の定、裏切っていたらしい。
「91194。貴様は、もっと賢いと思っていたが」
いつもの銃を手にした、何やら疲弊した様子のアンドリューがAの前に現れる。
『なに。君、寝返ったの』
「言い残すことは恨み言だけか？」
『君なんて大っ嫌いだ、って？
スマートじゃないよ』
頭部＿＿＿一瞬で死ねるような場所を狙ったのは、彼なりの優しさだったのかもしれない。
真っ赤な液体が周囲に飛び散り、近くにいたヴィンセント達の頬を汚す。
「…A…」
通信機にも拾われない程の、小さいな呟きが、レイの唇から意味もなく溢れた。
「うんざりだ。愚かな家畜共め。
僕は
反抗期には、もううんざりだ」
Aが倒れた方から広がっていく赤い染みを、避けるようにピーターは歩く。
「もういい。所詮は不良品だ。全員殺せ」
そしてそう部下へ命令しながら、自らもヴィンセントへ銃を向けた。
が、ピーターの命に反して、聞こえてきたのは部下からの返事ではなく、バキッ、ボキッという格闘的な暴力の音。
ピーターが背後を振り返った時、真っ先に視界に入ってきた銃口。
「"パパ"？笑わせるな」
家族の、友人の仇を、オリバーは真っ直ぐに睨みつける。
「お前は俺達の父親じゃない！」
・
レイ、誕生日おめでとう！
2024.1.15.
作者
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
篠瀬(プロフ) - 弓月有無％さん» コメントありがとうございます😊たくさん書いてくださってとっても嬉しいです！番外編、楽しんでいただけたら幸いですが、全然更新できてなくて申し訳ないです…これからも頑張りますね😍 (4月11日 20時) (
レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
弓月有無％(プロフ) - 完結おめでとう御座います！！何度も読み返しており面白く、完結後もまた、読み返したいなと思います！本当に素敵な物語でかっこいいストーリだと思いました！番外編の方も楽しませて頂きます。是からも応援しております、無理せず自身のペースで頑張って下さい！！ (4月5日 11時) (レス) @page26 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - 美羽さん» めっちゃ嬉しいです！！ありがとうございます😆 (4月1日 11時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
美羽 - めっちゃ面白かったです！！ (4月1日 11時) (レス) @page26 id: f695b89957 (このIDを非表示/違反報告)
篠瀬(プロフ) - ひめなさん» 本当にありがとうございます！！楽しみにしてくださってる方がいると番外編も頑張れます！！ (4月1日 8時) (レス) id: e526e5a105 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：篠瀬 | 作成日時：2024年1月6日 10時
