検索窓
今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:2,005 hit

第200話「__雨のち晴れ、所により虹!!」夢主 ページ16

「__なァ、ラブ。お前、もしかしていろはに付いて行きてェんじゃねェのか。」

ラブの瞳を真っ直ぐと射抜いた中也さんに、ラブは初めて、中也さんに対して満足げな表情を浮かべ、「みゃあ。」と鳴いた。
……如何やら中りらしい。

「……困ったな。今のラブはエリス嬢の友人な訳で、勝手に連れて行くわけにはいかないし。」

そう、人の言葉を理解しているとは云え、ただの黒猫であるラブが自由に本拠地内を歩けているのは「首領の大切にされているエリス嬢のご友人(愛猫)」という肩書きがあってこそなのだ。
それが無ければ、幾ら賢いとは云え、只の猫にしか過ぎず、その猫の為に負うにはリスクが大きすぎる。

……機嫌を損ねることにはなるが、ここは説明して諦めて貰う他無いだろう。
私がそんな結論に達し、口を開きかけたその時の事。

いつの間にか何処かへ連絡していたらしい中也さんが、にっかりと笑う。

「善かったな、ラブ。首領(ボス)から「エリスちゃんの友人係は終わりを迎えたらしい。暁君の元で輝くような活躍をすることを祈っているよ。」とのことだ。……何、気にすんな、いろは。「ラブがいろはに付いて行きたいと言った場合はラブの意思を優先せよ」という命令自体は、お前がエリス嬢にラブを預けた次の日には下ッてたからな!!」

カラカラと笑う中也さんに、未だ右肩に乗ったままのラブは「みゃあ!」と、得意げに鳴く。
どうやらラブも知っていた様だ。

「じゃあな、ラブ。元気でな。」
「みゃぁみゃ、にゃあ!」

優しく微笑む中也さんに、ラブは嬉しそうに返事をする。
……待って、つまり、私。

「……ラブに、未来の私にはラブが必要だって判断された……?」

ラブは元相棒だ。
信頼しているし、頼りにもしている。
例え戦闘能力は無くたって、だ。
その最大の要因は、太宰さんと同じかそれ以上の頭の良さだ。

「……つまり、私。」

ラブの予想する未来の殆どで、「死んでいる」のだ。
何が原因かは判らない。
今担当しているこの事件かもしれないし、一応の終幕は得た組合が原因になり得るかもしれない。
或いは、「今は知らない何か」が原因かもしれない。
原因はわからないけれど……嗚呼、と私は思う。

「……そういうこと。ラブ、私頑張るね。」

私はこれから、ラブがまた私から離れても良い、と判断するまで……常に気を張っているべきなのだ。

第201話「私の友人は今日も愛に振り回される。」ラブ→←第199話「令嬢の機嫌は雨のち__」夢主



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:業猫 | 作成日時:2020年8月31日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。