【文豪ストレイドッグス】もういちど。肆【中島敦】 (ページ37)

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第179話「新たな仕事(前編)」夢主ページ37

「はぁ～～～～……。遣る気出ない。」

太宰さんの大きな溜息が響いてきた。
私はキーボードを打つ手を止めて振り返る。

其処には、何時もよりやる気の失せた表情の太宰さんがソファに寝転んでいたのだった。

私は国木田さんに叱られている太宰さんを見、苦笑していた。
国木田さんの言い分は最もだけれど、太宰さんの気持ちも分かる。

私は椅子から立ち上がると、バナナを皮を剥かずに食べ始めた太宰さんの手から取り上げて皮を剥き太宰さんに返そうと太宰さんの方に差し出すと、持つことも面倒くさいのか、そのまま食べ始めた。
そんなやり取りを見ていた国木田さんは大きな溜息を吐くと

「介護か……。」

と、呆れた様子で云ったのだった。

「何はともあれ！お前と暁と敦の連携で街は壊滅を免れた！その翌日に何故そうなる？」
「それがねぇ……。社長から次の仕事を頼まれちゃって……。」
「とても名誉なことなんですけれどね。……嗚呼、心配しないで下さい。太宰さんの手綱は確りと私が握りしめておきますから。」
「え、何。私犬？私、犬なの？」

私は微笑みながらそう云うと、太宰さんのツッコミ(？)はスルーする。
太宰さんは私に軽くあしらわれた事が不満らしく、口を尖らせるとまた大きな溜息を吐いた。

「あー。枯木のように唯寝てたい。」
「枯木なら可燃ゴミの日か。」
「何本当に捨てようとしてるんですか。止めて下さいよ？」

私達は、何時もの様にじゃれ合う。
その「何時も」を、私達は愛おしく思い、護りたいと思うのだ。