寄り道 ページ2
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本なんてもちろん探す気になれず手ぶらでドンヒョクの前に戻ると、あぁ？ と私を見上げながらイヤフォンをポケットにしまい立ち上がった。
自転車に乗っているとそんなにわからないけど、こうして近くで立たれると私より随分と大きい。いつの間にか追い越された背を実感しているとドンヒョクはすでに自動ドアを通り抜けていた。
「なにしてんの帰るぞ」
「は〜い」
――暑かったせいだと思う。
「ねぇ」
「なに」
自転車置き場へ向かうドンヒョクの背中に話しかける。
「たまには違う道で帰らない？」
「はぁ？」
このクソ暑いのに？ さっきあんな話ししたから？ って顔してる。
「うん」
「やだね」
言うと思った。でもなんか今日は、そのまま帰りたくない。
「いいじゃんあの頃はつき合ってくれたじゃん」
「あ〜れはおまえがベソかいたからだろう？」
ぐすんっ。
「ベソかくな」
ぐすんっっ。
「まじ勘弁、帰るぞ」
素早く自転車に飛び乗ると私を待たず行ってしまった。
ぐすんっっっ。
「ったくもう、」
図書館の門を出てぐるりとＵターン。すぐ戻ってきた。
「どこっどこ行くっ駅前とか言うなよ？」
怒っても優しい。
「あのさ、あそこ行きたいっ棚田！ あそこなら涼しいし！ 誰にも会わないじゃん？」
ん〜。とちょっと考えてから「行くぞ〜」って言うドンヒョクをウキウキしながら追いかける。
大きさや高さの異なる田んぼが棚のように並んでいて、階段みたいになった場所が図書館からちょっと行ったところにある。丘の上からそれをみると絶景なんだよね。穴場だしこんな暑い日にはきっと誰も来ない。
通り道の小さな売店で半分に割れるアイスを買い、そこに自転車を置きアイスをちゅうちゅう吸いながら丘の上まで歩いた。日差しは暑かったけど風が気持ちいいし、緑が目に優しい。
大きな木の下まで着くとその木陰に並んで腰を下ろした。
「涼しいね〜来てよかったでしょう？」
ドンヒョクはアイスを咥えたまま小さく「まーね」と言いごろんと寝転がった。それからかぶっていたキャップをとり額の上にふわりと乗せた。
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かいにに（ぺったん）(プロフ) - あおさん» コメントありがとうございます！以前読んでいただいたことがあるみたいで嬉しいです(*´ω｀*) ご丁寧に個別メッセージまでありがとうございます！ (2023年3月22日 10時) (
レス) id: ca38fe022c (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - またこのお話に出会えて嬉しいです (2023年3月22日 1時) (レス) id: 94c23216ad (このIDを非表示/違反報告)
かいにに（ぺったん）(プロフ) - みんははさん» わぁ！おんに〜！更新通知オフにしたつもりなんですけどもしかして通知いっちゃいました？恥ずかしいですがまた読んでもらえて嬉しいです！いつもありがとうございまーす＼(^o^)／ (2022年6月29日 15時) (レス) id: ca38fe022c (このIDを非表示/違反報告)
みんはは(プロフ) - ぺっちゃんありがと！ (2022年6月29日 13時) (レス) @page7 id: bf5897c69c (このIDを非表示/違反報告)
かいにに（ぺったん）(プロフ) - ちゃんそるさん» 初めまして、お読みくださりコメントもありがとうございます。1話だけなのに喜んでくださる方がいらしてよかったです(:_;)ご案内ですが、あとがきに記載通りコメントでは致しかねますのでお手数ですがボードのメッセージへお越しください。よろしくお願いいたします (2022年6月28日 16時) (レス) @page7 id: ca38fe022c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺったん
| 作成日時：2017年7月30日 0時
