憎い、憎い(シホノside) ページ44
(シホノside)
私は塾の自習室で勉強する振りをしながら、ジン君について調べていた。私の彼は秒殺の皇帝、つまるところ有名人だから、調べると時々新情報がヒットするんだ。
「はぁ…かっこいいなぁ…」
彼の試合の動画をリプレイする。この手の動画は基本的にLBXしか映してくれないけど、時々映るジンくんのかっこいいこと。あの顔、目、強さ、全部が好き。なのに彼はどうして私のところへ来てくれないんだろう？何が楽しくて神代Aなんかと一緒にいるんだろう？
まあいいや。ジン君のかっこよさに関する思いを吐き出そうと私はSNSを開く。ここでジン君のかっこいいシーンの動画を貼ったり、感想を書いたり、ストーキングで得られたジン君の情報を書き込む。ガチ恋の妄想、なんてクソリプが飛んでくることもあるけどこれは妄想じゃない。事実だ。
「───ん？」
書き込もうとしたとき、タイムラインに新着の投稿が来ていた事に気づいた。なんだろう、とその投稿を読む。
『店に秒殺の皇帝来たww』
一緒に投稿されていた動画を再生する。そこに映るのは確かにジン君がバトルしてる姿───でも、ここはどこだろう。ピンクと白のパステルカラーの内装、カラフルな服の女の子───少し考えて、このカラフルな服はメイド服だと気づいた。
メイド服ってことは───ここはメイド喫茶？なんでジン君がそんな所に？まさか変な人に騙されたんじゃ、神代Aみたいな───そう考えたとき、ジン君の対戦相手が一瞬映った。ツインテールの頭に媚びたような動き、高い声、私の一番嫌いなタイプ───しかしその顔には見覚えがあった。
(神代A！？)
普段と全く雰囲気が違うけど顔も髪色もあの女と同じ。なんでこんな所に、とディスプレイに顔を寄せ、がたりと物音が立つ。周りの人がこちらを見るが、私はそんな事は気にしてなかった。
「…許せない」
ぽつりと呟いたその声は、地獄の底から絞り出したようだった。一番嫌いな女が、一番嫌いな仕草をしながら、一番好きなジン君と一緒にいる。なんのためにメイド服なんて着てるの？ジン君のため？ジン君がそんなの好きだと思ってるの？この女はジン君の事を何もわかっていない。それなのにジン君はこの女と一緒にいる。
この女は敵だ。私はそう確信した。SNSを閉じ、代わりにユウジにメールを送る。
『神代Aを潰したい』
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獅童アイ(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2015年5月30日 1時) (
レス) id: a17d650aa8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 更新待ってました！ とても面白いです！ (2015年5月30日 0時) (レス) id: 6a421b55e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - そういえば、ジンの機体はなんですか。 (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - というか、これ、更新してるんですか？ (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - 色は機体に合わせたかんじで、市販されてない一点品。形とかはおまかせで。よろしく (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：獅童アイ | 作成日時：2013年3月7日 19時
