戦え、グレイメイド ページ40
「ゼノン！」
「グレイメイド」
ゼノンが力強く、グレイメイドが軽やかに着地する。
「グラディエーター！」
「ウォーリアー！」
相手のLBXもフィールドに入る。ウォーリアーが挑発するように手招きをしてきたのを見たら無性に苛立ってきた。
「まずは秒殺の皇帝からだ！」
二人はグレイメイドには目もくれずにゼノンに向かっていく。一瞥もされないのは不服だがそうなるだろうとも思っていた。相手の攻撃は直線的で軌道の読める突進、ゼノンには容易く対応できるだろう───という私の予測通り、二体纏めてハンマーの横薙ぎで吹き飛ばされた。
「強い…！」
相手の男が呟く。秒殺の皇帝だからこれくらいのパワーは当然だろう。そしてゼノンはよろけたままのグラディエーターを思い切り殴り上げる。あちらは直に決着がつく───ならこちらはウォーリアーを潰そう。
体勢を立て直してゼノンに立ち向かおうとするウォーリアーに弾丸を浴びせる。
「てめぇ！」
ウォーリアーは振り返ってこちらに向かってくる。さっき私はグレイメイドの弾丸を節分の豆に例えたが、節分の豆も執拗に当てられれば痛いのだ。
さっきも見た直線的な突進、単純だが一般的なLBXに比べればこのウォーリアーは足が速いから、並大抵の相手にはこれでも脅威になるだろう───だが、よく見れば大した事はない。突進を紙一重で躱し、すれ違いざまにウォーリアーの顔面をマシンガンで殴りつけた。
「カメラが！」
グレイメイドのパワーは貧弱だが、相手の勢いを利用して攻撃すればブロウラーフレームに劣らない威力を出せる。実際に相手はカメラが潰れ、無様にその場に倒れ込む。武器も落として右往左往してるウォーリアーを踏みつけ、至近距離でマシンガンを撃ち続ける。
「調子に乗りやがって…！」
ウォーリアーがでたらめに暴れてグレイメイドを弾き飛ばす。カメラではなく相手の肉眼がグレイメイドを捉え、グレイメイドを潰そうとする。
「形成逆転だな…あっ！？」
だが、少し遅かったようだ。グラディエーターを倒したゼノンがウォーリアーの背後に回り込み、ハンマーを振り下ろした。
「ひぃっ…！」
男二人は破壊された愛機を拾うこともなく一目散に逃げ出していく。完全に姿が見えなくなった所で私は安堵のため息をついた。
(…ふぅ)
今日は散々な日だった。午前中はジンに出くわすし、午後は変な人に絡まれるし。
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獅童アイ(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2015年5月30日 1時) (
レス) id: a17d650aa8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 更新待ってました！ とても面白いです！ (2015年5月30日 0時) (レス) id: 6a421b55e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - そういえば、ジンの機体はなんですか。 (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - というか、これ、更新してるんですか？ (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - 色は機体に合わせたかんじで、市販されてない一点品。形とかはおまかせで。よろしく (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：獅童アイ | 作成日時：2013年3月7日 19時
