会話、緩和 ページ29
「Aさん、待ってくれ」
「何を？」
ジンに冷たく返す。こんなもんに一々反応していたら、本気でキリがない。こういうのは、下手に同情せずばっさり切り捨ててしまうのが一番。それが私の持論だった。
「もう少し、僕達の言い分を聞いてほしい」
「嫌。私、帰りたいの」
時計の短針は６の字を過ぎ、空は暗くなりかけていた。だが、シホノは恐らくまだいるだろう。そうだ、シホノはどうしようか。もし問い詰められたら、「赤の他人」とでも返しておこうか。それとも、事実を全てぶちまけてしまおうか。どちらでも私に不利益はない。
「……Aさん、できれば僕達は、全員で彼女をどうにかしたい。これは、さっき話し合ってきめたことだ」
「あっそ。人数が増えると情報が漏れるから嫌」
どうやらジンは、私をこの状況に納得させたいようだ。馬鹿みたいだ。
「この２人は信用できる」
「保証は？」
「……契約を違反した僕が保証したところで信用できない、そう言いたいのは分かる」
なんだ、ちゃんと分かってるのね、そのへん。これで「僕が保証する」とか言い出したら、「阿呆か」って一蹴できたのに。
「なぁジン……多分これ以上、Aに何言ってもムダだって。なんでそこまで……」
「聞こえてるわよ」
「す、すいません！」
男の子は、姿勢を気をつけにしてジンから飛び退いた。小さい声で言ったつもりなのかしら。
(……でも)
今のセリフには、１つ引っかかることがあった。そういえばジンは、なんでここまで私に執着するのかしら。無論、意地の一言で片付けてしまえばそれまでなんだけど、普通だったら、そろそろこの男の子のようにそろそろ諦めるはずだ。でも意地にしては、私の誘導尋問に乗らないなど、頭も回っている。
「……ジン、あなたはなにがしたいの？」
「……許して欲しい。できれば、少し考えを改めてほしい」
「馬鹿正直ね。頭回ってないの？」
少し挑発を織り交ぜてみた。
「これは僕の本心だ。嘘も偽りもごまかしもない」
「……ふーん」
口はうまいほうではないが、相当申し訳なく思っているのは分かった、そしてその上で私に考えを改めてくるように言ってくる。どの口がどの立場で言ってるんだか。
(メールじゃあんなに喋るくせにね)
そう思ったとき、ふとジンから貰ったメールを思い出した。
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獅童アイ(プロフ) - ありがとうございます(^^) (2015年5月30日 1時) (
レス) id: a17d650aa8 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 更新待ってました！ とても面白いです！ (2015年5月30日 0時) (レス) id: 6a421b55e4 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - そういえば、ジンの機体はなんですか。 (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - というか、これ、更新してるんですか？ (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
ミユキ - 色は機体に合わせたかんじで、市販されてない一点品。形とかはおまかせで。よろしく (2014年1月19日 2時) (レス) id: 279bbfc8f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：獅童アイ | 作成日時：2013年3月7日 19時
