八乙女陸になった話 (ページ31)

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番外編続きページ31

三｢一織のやつっ！｣三月は思うがままに歩いていった
三(あのホットケーキおれが帰ったらつくろうとしてたのに…一織が作って失敗して粉なくなったじゃねーか
食べたいなら自分で買ってくりゃーいいのに…っていおりはまだ五歳か…)
まだまだ、寒くて薄着ででてきてしまった三月は後悔した。
でも、三月は途中で文句なんて言えなくなってしまった。
なにより、明日は１月25日、いおりの誕生日だった。だから、三月は明日、一織の大好きなパンケーキを作ろうとしてて、その練習をするつもりだった。
三(一織が、喜んでくれると思って張り切ったけど…喧嘩しちゃうなんて…)
公園について、夕暮れのブランコで揺れながら三月はどうしよう…と悩んだ。
三｢はぁ、一織…｣
一織がまだ小さい上、両親ともに自営業で、働いているためいつもいおりと一緒にいたが、いおりがいないことに違和感と味わったことのない寂しさが同時に押し寄せてきた。それは、喧嘩をしてしまったことに十分原因があるだろう。
三(……とうさんとかあさんも仕事だし……ｯいおり！やばいｯ今、家にはいおりだけだ。鍵も閉めてきてない…！！！)
今までにないぐらい焦った三月は全力疾走した。
バンッ三｢いおり！！｣なんども、いろんな部屋にいって名前を呼ぶが返事かない三月の顔がサーと青ざめていくのがわかる。
それから三月は公園、幼稚園、図書館と、めぐるが、何処にもいなかった…
三｢…一織…ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ｣気づけば時計は７時、冬の日入りははやく、真っ暗だ。三(俺が…あんなこと言ったから…嫌で出ていっちゃったのかな…ねぇ、何処一織…いつもみたいに兄ちゃんってよんで…)
？｢三月！！！｣三｢かぁさん…？｣母｢こんな暗い中、どうして家に帰らないの！探し回ったのよ！｣三｢一織が…いなくなっちゃって…探してて…俺、酷いこと言っちゃったから…｣
大き目を閉じ、唇を噛み締めながら下をむいて母にいった。声は出してなくても大泣きだ。
母｢…ふふっ三月はいいお兄ちゃんね｣三(どおして…？頭も撫でてくるけど、俺、悪いことしかしてないよ…？)
母｢帰るわよ｣
ｶﾞﾁｬｯ一｢ｯにいちゃ！にいちゃ！ごめんなさい。いおり、にいちゃの悲しむことやった。｣三月に抱きついて、ﾊｯとなったいおりは離れて、ショボンとしながら恐る恐るいおりは言った。
父｢一織、三月に見せるものがあるでしょう？｣
そうして、いおりが駆けて持ってきたのは熊さんのパンケーキだった。