八乙女陸になった話 (ページ18)

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なんで …？なんで天にぃがそんな顔するんだよ。目の前にはピンクのきれいな瞳が灰色がかって今にも泣きそうな顔をしていた。きっと、俺にしかわからないだろう。まわりには、いつもの完璧の九条天がうつっているだろう。そのくらい一瞬の顔を俺は見逃さなかった。

ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ
大声を放ったせいか、咳がこみあげてきた。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
大声を陸が放った。いつもなら発作が起こるからダメだっていう。でも、こんくらい天に対する思いがあるんだってことを天に知ってほしかった。
陸発作をだしたとき俺あえて、陸に駆け寄らなかった。そんなにひどい発作ではないし、なにしろ天がいる。陸の兄だからわかる。陸の兄になって、陸を嫌うなんてできねー、それが戸籍上変わってしまっていても。
案の定天が前にでた。

天｢陸の荷物をもってきて！！！！！！｣

ナ｢リク！！ダイジョウブですか？！！！｣

三｢はぁはぁ、もってきたぞ！｣

天は陸のかばんをあさり吸入器をだして手際よく吸入した。5年も陸と過ごしていた俺よりはるかに天は手際がよかった。あぁずっと面倒見ていたんだナってわかった。
天は力強く陸を抱き締めた

天｢お願い…ｯお願いだから居なくならないで。お願いだから…ｯ｣

そんな、今にも泣きそうな声は気を失っていた陸には届いていなかった。

龍｢…えっと、天…？この子と知り合いなの？｣

陸が静かに呼吸を刻みながら寝て、アイナナの寮に運び終わったとき、誰も一言も話さなかった、沈黙を破った。
アイナナのマネージャーは陸が気を失ったことに声がだせないでいた。

天｢…君たちには関係ないでしょ。僕たちはあくまでビジネスパートナー。プライベートまで話すつもりはないよ。｣

その言葉に少しいや大分腹が立った。俺は少なくとも天を尊敬している。一人のシンガーとして。それに陸はメンバーに発作のことを話していなかった。これは陸にとって大切なことで話さなきゃいけないこと。天から話してしまったらもちろん陸と天の関係を知られてしまうからダメだけど…俺との関係はばれない。少なくとも陸の本当の両親に芸能界からの火が飛ぶことはない。幸いまだアイナナは有名じゃない。
楽｢…ｯてめっこの状況でそんなことがいえんのかよ！｣
胸ぐらを掴んだ。アイナナのマネージャーの喧嘩早めてください！という言葉を無視して沈黙の中、顔を背ける天を睨んだ。