【終わりのセラフ】小さな恋のお菓子を一つ。【短編集】

強がりprincess＊柊暮人 ページ11

※暮人視点※


挑戦的な目。凛とした態度。美しい容姿。

俺の命令に従わない、女。


───俺のものにしたいと、思った。



「……っ、んん」


執務室から出て行こうとする彼女を引き留め、顎を掴み無理矢理顔を上げさせて。


何度も何度も、唇を奪ってやる。



普段は俺がどんな事をしようと怒りもしない、泣きもしない彼女。

そんな奴が、薄らと目に涙を浮かべて小さく息を荒げている。



「何だ、もう限界か？」


「馬鹿言わないでよ……っ！このへんた、……んっ」


「……っ、は。その割には随分と苦しそうだな。そろそろ降参したら如何だ？」


彼女が俺に暴言を吐く度に、乱暴にキスを落とす。

彼女の反応を見る限り、明らかに俺の方が優勢。
後は、降参するのを待つだけ。


「嫌、よ。何であんたなんかに……っ、ひゃっ！？」


空いている方の手で、するりと彼女の太腿を撫でる。

すると聞こえて来た、女らしい悲鳴。


「ふむ。お前はこんな声も出せるのか。」


そう口に出せば、彼女は顔を紅く染め、涙目で此方を睨んでくる。

憐れな奴。その態度が男を煽るものだと気付かないのか。



「まだ抵抗するのか。」


「当たり前、でしょ…っ…」


「……そうか。なら、」


───思う存分、可愛がってやろう。



二人きりの執務室。

冷酷な男と、強気な女。


二人の関係に"恋"という名が付くのは、何時になるのだろうか。




強がりprincess
(俺に、堕ちてしまえ。)

甘い甘い、ご褒美を。＊一瀬グレン【雪翡様リク】→←閉じた世界に花咲けば、＊柊深夜,柊天利　

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