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魂のかたち ページ23

「……ジネヴラってさ……同性愛、なのか?」

おずおずと声を潜めて話すA。可愛いねぇ。別に誰も聞いちゃいないだろうに

「んー……両性愛かねぇ。アイツは別に性別なんて関係ないのさ。ただ、魂のかたちとか、色とか……そういうのに惹かれるんだろうねぇ」

ジネヴラは、ファントムハイヴ夫人……レイチェル・ファントムハイヴに恋していた。

「魂に色とかかたちとかあんの」

「ヒヒッ、さぁ、どうだろうねぇ〜?」

Aの魂のは、いつだって息苦しいくらいに輝いている。本気で生きているんだろうねぇ。この世への執着が人一倍強い。けれど、多分死んでしまえばそこまでで諦める子だ。

小生にはできない。この子は現実をはっきり受け止める。

「……小生が、Aの魂を眺めていたいのとおんなじことさ」

なるほど、って。案の定Aは全くわかっていない相槌をくれる。この子がわざわざわからないって言い出さないのは、別に説明を聞きたい訳じゃないからなんだろう。

「さ、もう寝てしまおうねェ……明日はいつもより早起きさんだよ?できるかな?」

「できるできる……優しい旦那サマがキスで起こしてくれるんだ」

Aが布団に潜り込んだのを見計らって、ふっと息を吹きかけて火を全部消してやる。

Aってば、やっぱり小生頼りかい……

「ヒッヒッヒ……どうしようねぇ、二人で寝坊してしまったら……」

「潔く叱られよーぜ?」

「イッヒヒ……執事クン、怒りそうだねぇ」

ま、いいじゃん。素っ気なく返されて、ちょっぴり寂しくなった。Aはそのままころりと寝返りを打って、向こう側に顔を背けてしまう。

あれ、小生なんかしちゃったかね……

「ぁ、あ、あれぇ……?A、何か、怒ってる……?」

小生が答えをはぐらかしすぎたから?
あまりに未練がましくて情けなくなったのかなぁ?
それとも、それとも……


あれこれ思い出すうちに、出会ったその日まで遡ってしまいそうだ。
あぁ、本当に女の子って難しい。急にフイと態度を変えちゃって、わからないと拗ねるし、わかっても拗ねるんだから……


「……怒って、ない、けどさ……」

「けど」

けどって、何だい。今から怒るとでも言いたいのかな?不安なままAの背中を見つめると、彼女が肩口から少しだけ顔を見せた。

「テイカーって、……」

「うん?」

「……やっぱ、ジネヴラとそういう関係だったろ」

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足立甚(プロフ) - うっ...最高すぎた (5月25日 9時) (レス) @page25 id: a5c9d3b18a (このIDを非表示/違反報告)
ミィ - やったあぁぁぁ!!続編だ!!この作品大好きなので嬉しすぎます♡ (2021年10月3日 1時) (レス) id: d748bf27c1 (このIDを非表示/違反報告)
坂田銀糖(プロフ) - うわぁぁ、この小説を書いて下さいまして、ありがとうございます。応援してます。続きも気になりました! (2021年9月19日 8時) (レス) id: 4e79a91855 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Loot | 作成日時:2021年1月14日 22時

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