３.手帳と夢 ページ5
＊
その日の夕時。
男達から詳細を聞いて何とか追い返した後、ロビンの一声でダイニングに集まった。
「先ずこれを見てほしいの」
それは一冊の手帳。
ボロボロ過ぎて、考古学者でもなければ迷わず捨ててしまうだろう。
「ロビンちゃん、これは？」
「船を転々としていた頃、とある海賊船にあった物なのだけど」
宝の在り処を記す物だと取っておいていたようで、それをこっそり奪っていたらしい。
「この手帳にさっきの人達が言っていた“黒い渦”って言葉が出ているのよ」
劣化が激しく破けないよう慎重にページを捲り、此処だと指を差す。
「これ何語？ポーネグリフとも違う、見た事ない文字ねぇ」
「何言ってんだナミ？」
「ほんとだ！黒い渦って書いてあるぞ！」
「え？」
向かい側に座るルフィとチョッパーはどうやら読めるらしい。
どういう事だと横で首を傾げるナミに、ロビンはその手帳を回転させた。
「あ、読める！」
「私も最初は分からなかったのだけれど、この文字は逆さにしないと読むことが出来ないみたい」
「ヨホホ、暗号みたいですねぇ」
「なんて書いてあんだ？」
「えぇ、この手帳には―――」
ロビンが説明している間、Aはずっと考えていた。
あの文字に見覚えがあった。
けど何処で見たか思い出せない。
幼い頃読んだ絵本？……違う。
どっかの島で見た？……違う。
もっとこう、最近の出来事の中で…
「この世界では有り得ない事が記されている」
有り得ない出来事…
「じゃあ、その“黒い渦”ってのが何処かに通じてるのか？」
何処かに通じて……
「あっ！！」
「おい、どうした？」
ローが不審に見るがそれよりも…
「ちょっとすみません！」
「な、何だ急に？」
思い出した。
思い出したのだ。
手帳を手繰り寄せ逆さにしたり戻したりするAに、周りも何事だと身を乗り出す。
「ロー、あの夢！」
ローを呼べば彼も察したのか目を見開き、広い歩幅で割り込んでくる。
「この文字、夢の中の…」
「間違いねェのか？」
「うん。例の部屋に行く道の看板や張り紙。部屋の本棚も…確かにこの文字だった」
「ちょっと待って！夢とか部屋とか何の話！？」
「分かるように説明してくれ！」
知っているのはローだけ。
何となく話しづらくて少し躊躇ってしまう手を、刺青だらけの手がそっと握る。
その分かりづらい優しさに息を吐くと、ゆっくり話し始めた。
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こまめ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます！オチについてですが、ローかリヴァイ何方になるか現段階では決まっていません。アンケートで決めたり、分岐で何方も書く方法も考えてはいますが未定となっています。曖昧で申し訳ないですが、今後の展開を見守って頂けたら幸いです！ (2022年11月21日 11時) (
レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？続き頑張ってください。応援してます。 (2022年11月21日 9時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - マカロンさん» 閲覧して頂きありがとうございます！亀更新過ぎて申し訳ないですが、今後ともよろしくお願いします(^^) (2022年4月29日 15時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごく面白いです！！ (2022年4月28日 16時) (レス) @page46 id: ca5fd49002 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 聖羅さん» お待たせしてすみません！1ページではありますが更新させて頂きました。続きも早めに更新出来るよう頑張りますので、もう少々お待ち下さい。 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こまめ | 作成日時：2020年8月27日 1時
