・ ページ27
＊
気まずい…
彼は怒っているだろう。勝手に部屋の外ならまだしも街へ外出してしまったから。
ソワソワしていればカップの置く音に反射的に背筋が伸びる。
そして反射的に頭を下げた。
「す、すみませんでした！」
返答がない事が逆に怖い。自業自得だ。
エルヴィンに告げたから大丈夫だと思っていた事が軽率だったのだ。
「…それは何に対しての謝罪だ？」
「え…私が勝手に出歩いたからで…」
「出歩いたのは服が無かったからだろ」
「いや、そうなんですけど…」
あれ？
「まぁ俺に言わなかったのは気に入らねぇが」
「それはリヴァイさんが何処にいるか分からなくて」
「あぁ、ナナバにも聞いた。探してたらしいな」
普通に話してくるリヴァイに内心戸惑ってしまう。
いや、だって腕組みして待ち伏せされてたし、ペトラに「こいつを連れ出したのはお前か？」とか言っていたからてっきり…
そう思うとAは長く息を吐いた。
無意識に強ばっていた全身の力が一気に抜け、疲れがどっと出てきたように感じる。
「でけぇため息だな」
「…誰の所為ですか」
フッと鼻で笑われた辺り全て分かっててやっていたのだろう。タチが悪い。
ムッとしながら出されていた紅茶に口付ける。
冷めても変わらない美味しさをゆっくりと味わっていると再びリヴァイが口を開いた。
「…その服はペトラの物か？」
「丁度衣類の整理したかったからってくれたんです」
「そうか…悪くない」
今朝と同じように視線を逸らされ言われた言葉は、恐らく彼なりの褒め言葉なのだろう。
嬉しさとリヴァイの態度に少し笑ってしまった。
何だ、と不審がるから何でも無いと誤魔化しペトラとの事を話し始めるA。
見知らぬ土地で最初の友達が出来たと嬉しそうに話す彼女を、リヴァイは穏やかな心持ちで聞いてた。
連れ出したのはお前かと問い掛けた際、ペトラもAもお互いを庇い合っていた事にリヴァイは内心で安堵した。
混乱を避ける為にもまだ能力は公表はしないが、訓練兵の過程が無いAを調査兵団の何人が受け入れられるのか。
疑いの目が刺さる事は逃れられないだろう。
自身の時の事を思い出しながらそう考えていたから。
「良かったな」
「はい！」
その時、自分以外にも彼女の傍に居てくれる人が少しでも多くいればいいとリヴァイは思った。
＊＊＊
更新を止めてしまい申し訳ございません！
徐々に再開致します。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こまめ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます！オチについてですが、ローかリヴァイ何方になるか現段階では決まっていません。アンケートで決めたり、分岐で何方も書く方法も考えてはいますが未定となっています。曖昧で申し訳ないですが、今後の展開を見守って頂けたら幸いです！ (2022年11月21日 11時) (
レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？続き頑張ってください。応援してます。 (2022年11月21日 9時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - マカロンさん» 閲覧して頂きありがとうございます！亀更新過ぎて申し訳ないですが、今後ともよろしくお願いします(^^) (2022年4月29日 15時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごく面白いです！！ (2022年4月28日 16時) (レス) @page46 id: ca5fd49002 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 聖羅さん» お待たせしてすみません！1ページではありますが更新させて頂きました。続きも早めに更新出来るよう頑張りますので、もう少々お待ち下さい。 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こまめ | 作成日時：2020年8月27日 1時
