・ ページ19
＊
「これが私の能力です。リヴァイさん凄く疲れてたんですね……少しでも取れたならいいんですが」
消えた温もりに少々名残惜しく感じるが、言われてみると壁外調査後で溜まった疲れがつい先程より軽減されている。
体が軽い。
「何をした？」
「リヴァイさんの細胞を少し若返らせてみました」
「は？」
「悪魔の実であるセルセルの実を食べた…」
《セルセルの実》
――――つまり細胞
「私は細胞を操る事ができます」
まさかそんな事が出来る人間がいるのか？
けど事実、たった今己が身をもって体感してしまった。
しかも二度。
あの時自分を生かしたのは、彼女であって、彼女の能力だったのだ。
信じ難いが信じる他ない。
リヴァイはフッと目を細めるとAに向き直った。
「この事はエルヴィンにも報告するがいいか？」
「もちろんです」
「そうか。ハンジが聞いたら騒ぐだろうな」
「ハンジさん、ですか？」
「あぁ。あいつは実験の類が好きな変態だ。細胞をどうこう出来ると分かっちゃ騒ぐに決まっている」
なるほど、とハンジの好奇心旺盛な心当たりを思い出す。
大変そうだ、とAは苦笑しながら冷めた紅茶に口を付けた。
「ところで、さっきのは他のやつにもするのか？」
「さっきの？」
「“ヒーリング”とかいうやつだ」
「もちろん仲間にはやってあげますよ？」
頻繁ではないですけどと付け足したAだが、リヴァイが聞きたいのはそうじゃない。
「違ぇ、体制の問題だ」
「あぁ！接触する面積が広い程その効果は絶大なので、ローにはよくやってます」
「なんだと…？」
あんな事を他の男にもやっているのかと思うとふつふつと怒りが湧いてくる。
幼少期のリヴァイにとって生きる糧となった彼女が他の男に…
「A、これからは俺以外にやるな」
「え？」
「いいな？」
「んー、お約束は出来ないです」
「約束しろ」
「そんな無茶な…」
Aにとっては違えど、リヴァイにとっては願ってもみなかった再会。
今はまだ果たしたばかりだが、彼はそのうち思い出させてやると心に決めるのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こまめ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます！オチについてですが、ローかリヴァイ何方になるか現段階では決まっていません。アンケートで決めたり、分岐で何方も書く方法も考えてはいますが未定となっています。曖昧で申し訳ないですが、今後の展開を見守って頂けたら幸いです！ (2022年11月21日 11時) (
レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？続き頑張ってください。応援してます。 (2022年11月21日 9時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - マカロンさん» 閲覧して頂きありがとうございます！亀更新過ぎて申し訳ないですが、今後ともよろしくお願いします(^^) (2022年4月29日 15時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごく面白いです！！ (2022年4月28日 16時) (レス) @page46 id: ca5fd49002 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 聖羅さん» お待たせしてすみません！1ページではありますが更新させて頂きました。続きも早めに更新出来るよう頑張りますので、もう少々お待ち下さい。 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こまめ | 作成日時：2020年8月27日 1時
