９.記憶 ページ18
＊
その夜、エルヴィンの計らいにより空いている部屋が与えられたAは早速悩みにぶち当たる。
―――お風呂に入りたい
せめてシャワーだけでも浴びてスッキリしたい。
だが場所も知らなければ、着替えもない。
「A、入るぞ」
「あ、ちょうど良かった！」
ナイスタイミングで訪問してくれたリヴァイに早速聞いてみる。
「なに？一日の汚れを流せないなんて死活問題だ」
ついて来い。と翻すリヴァイに連れてこられたのは隣の部屋…つまりリヴァイの部屋である。
何かあった時の為にとの事だ。
「俺の部屋のを使え。着替えは用意しておく」
そうタオルを投げて寄越されればお言葉に甘える事にした。
だが私は色々な事があり過ぎて忘れていた。
「リ、リヴァイさん…すみません。来てもらえますか…」
暫くして静かな部屋に聞こえた声。
その声に気力が無く何事だと駆けつけてみれば、辛うじて用意した服を着ているもののその場にへたり込んでいるAの姿があった。
「どうした！？」
「自分が能力者である事…忘れて、ました」
困った笑いを浮かべる彼女に、リヴァイは首を傾げる。
後で説明すると、とりあえず支えてもらいながらソファに移動した。
「ありがとう、ございました…」
一応用意した紅茶にはまだ手を付けられない程、だるそうなA。
ただ風呂に入るだけなのに、本当何があったというのだ。
リヴァイは様子を見ながら口を開く。
「それで、能力者ってのは何だ？」
「悪魔の実という物を食べた人の事です」
「悪魔の実？」
また訳の分からない言葉が出てきた。
聞くからに食欲失せそうな実だが…
「色んな種類があるんですが、その実を食べるとカナヅチ…えーっと、先程言った海に入る事が出来なくなる代わりに凄い力が手に入るんです。水に浸かるのもちょっと…」
「ほぅ、信じられねぇおとぎ話みてぇな話だな」
「そう思うのも無理ないと思いますが本当ですよ」
するとAは少し考える素振りをしてから立ち上がり、リヴァイの隣へと移る。
そして「嫌だろうけどすみません」と両手を伸ばす彼女に、何をする気だと返す事は出来なかった。
Aがリヴァイを抱き締めたのだ。
「《ヒーリング“癒し”》」
ふわっと今し方風呂に入った石鹸の香りに混じり懐かしい香りが鼻を掠め、その温もりに思考が止まる。
と同時に身体に起こる異変。
―――あぁ、あの時と同じだ
.
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こまめ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます！オチについてですが、ローかリヴァイ何方になるか現段階では決まっていません。アンケートで決めたり、分岐で何方も書く方法も考えてはいますが未定となっています。曖昧で申し訳ないですが、今後の展開を見守って頂けたら幸いです！ (2022年11月21日 11時) (
レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？続き頑張ってください。応援してます。 (2022年11月21日 9時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - マカロンさん» 閲覧して頂きありがとうございます！亀更新過ぎて申し訳ないですが、今後ともよろしくお願いします(^^) (2022年4月29日 15時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すごく面白いです！！ (2022年4月28日 16時) (レス) @page46 id: ca5fd49002 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 聖羅さん» お待たせしてすみません！1ページではありますが更新させて頂きました。続きも早めに更新出来るよう頑張りますので、もう少々お待ち下さい。 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 22f8f2f7cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こまめ | 作成日時：2020年8月27日 1時
