HEROs Love Story

30 ホークアイside ページ30

ホークアイside




ほぼ愛の告白じゃないか…あんなの




思いを伝えかけていたキャプテンを見たら
余裕がなくなって…




ハナコはどう思ったんだろうか




俺はさっき、言うだけ言って逃げてきた




『クリント！！！』




背中から追いかけてくる声




構わず歩き続ける




『クリント！！！』




手首を掴まれ、振り返ると
肩で息をするハナコが立っていた




『受け取り方、わかんない』




「お前は率直なやつだから、
遠回しは苦手か」




変わらないハナコが愛らしくて頭を撫でる




「今は分からなくていい」




『でも…クリントなんか辛そうだし』




どこからか溢れるとめどない優しさが俺を包む




「今は分からなくていい
いつか、気付いてくれたらいい




辛くても、俺は待ち続ける」




こんな気持ちは初めてだから




最後の言葉を飲み込んで、ジッと見つめた




お前が鈍感じゃないことぐらい分かってる




気付いてるんだろ？俺の気持ちに




だけどきっと、まだ答えが出せないんだ




自分の気持ちがわからないから




下唇を噛んで、複雑な表情で俺を見つめるハナコを抱きしめた




「キャプテンにさせたんだから、
俺もいいよな」




そう言って、耳元にキスをした




『そ…それは誰かにされた覚えはないけどね』




「ガキ」




『悔しいけど、今のは一本取られた』




待つよ




こんな気持ちは初めてだから

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