Dear FUTURE From DREAM② (ページ4)

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54.【JM】ページ4

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1人部屋に残された状態で、これまでの自分の練習生生活を省みる。

練習生になってからの約半年間

他の練習生みたいに明確な目標…歌手になる、
という夢を持っているわけではない僕は、何処か浮ついた気持ちで毎日学校と事務所を往復する生活を送っていた。

レッスンを不真面目に受けることはないが、だからといって頑張る訳でもないし、練習の合間はいつもソファに座ってゲームをしていた。
無論、自主練もやったことがない。

正直、事務所での唯一の楽しみは、同い年のドンヒョガとジェノと一緒に真っ暗な練習室でゲームをすることだけ。

そのせいか、たった半年で
僕と周りの練習生とでは確かな差が生まれてしまっていた。

自分より1年以上早く練習生活をはじめ
デビューという明確な夢に向かって、毎日夜中にまで練習室を借りて練習しているヒョン達はもちろん

僕が事務所にはいる時にスタッフさんから"優秀な練習生"として紹介されたマクヒョンは、どんな時も誰よりも真面目に練習をしている。

2つ年下のチソンアは、普段は人並み以上に縮こまってオドオドしているのに対して、大好きなダンスにはひたすら一生懸命だ。
まだ小学生なのに既に"自分の好きなもの"に出会い、努力している。

そして同じ日に入ってきたジェノ。

…自分と同じスカウトで入ってきたジェノは、僕とは全くの逆で練習の虫だった。

この半年の間、もたもたしている僕を他所に、ジェノはいつもレッスンを一生懸命受け、帰宅時間ギリギリまで練習をしていることもあって、ダンスは日々めきめきと上達していた。
(勿論僕はというと、ジェノが練習する横でゲームをするのが日常だ。)

…正直、スタッフヌナの

同じ日に入ってきたジェノは実力が伸びているのに…

という言葉には反論する余地がない。

だって当たり前だから。
明らかに練習時間も、歌やダンスに対する熱量も違う。

…むしろテレビ番組の影響で、以前から外科医になりたいなんて思っている僕は、これからもここにいて良い人間なのだろうか？
まだ中学1年生なんだから、他の夢を見つけても良いんじゃないか？

とまで、最近は考えるようになった。

そんな考えを頭に過ぎらせながら、僕も部屋から出ようとドアノブに手をかけようとすると

ガチャ

僕が手をかける前に向こうから扉が開いた。

SA「…ジェミナ…」

そして開いた扉の先には

何故か目をうるうるさせた、今にも泣きそうな表情をしたスアが立っていた。