風が強く吹いている

RUNNING.5 ページ6

ハイジ「104号室平田彰宏さん。みんなはニコチャン先輩と呼んでいる。

「ニコチン中毒だ！ニコチン中毒！」

『理工学部3年。初めて会ったときは先輩だったけど…』

ハイジ「今では俺の1年後輩だ」

「クサい！クサい！」

ニコチャン「うるせぇな。お前が神経質すぎるんだよ」

「これ訴えたら100対0でこっちすよ」

ハイジ「こっちが岩倉雪彦。ユキと呼んでる」

『司法試験一発合格の私と同じ法学部4年生だよ』

ユキ「ってまだ吸うか！」

騒ぐユキとユキを無視して吸い続けるニコチャン

『ユキ諦めなよ〜。ニコチャン先輩からタバコ取ったら何が残るの？』

ニコチャン「え？Aちゃん、幾ら何でもそれは酷すぎねぇ？」

ユキ「酷くないです。事実でしょ！てかなんでAがいるんだよ」

『うーん。なりゆき？』

ユキ「は？なんだそれ」



ニコチャン「おい、走」

走「なんですか？」

急に呼び捨てにされ戸惑いながらも応える走。

ニコチャン「お前たち3人、名作アニメの登場人物と同じ名前だ！」

走「はぁ……」

ニコチャン「ハイジだろ。走は蔵原だからクララ。そしてヤギのユキちゃん。ほらな？」

ユキ「勝手に人をヤギにしないでください」

『ユキがヤギ…クッ…今度からユキちゃんって呼ぼうかな」

笑いを堪えきれずに言う。

ユキ「やめろ！そんでもって笑うんじゃねぇよA！」

ニコチャン「俺のことはペーターと……」

と言ってるニコチャンを無視して戸を閉めるユキ。

『あ〜ぁ。籠っちゃった。』

ハイジ「気にするな。いつもこんな調子なんだ」

困惑した走にハイジは軽く肩をすくめてみせた。

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