RUNNING.2 ページ3
あいつだ。
俺がずっと探していたのは、あいつなんだ。
必死に自転車を漕ぎながら、ハイジは喜びなのか恐れなのか、自分でも分からない感情が胸に渦巻く。
なにかが始まろうとしていることだけが、はっきりと予感できた。
自転車を加速させ男の横に並び
ハイジ「走るの好きか?」
そう問いかけた。
男は困っているのか、怒っているともつかぬ表情をして走るのを止めた。
ハイジ「急に止まるな。少し流そう。」
そう言いながらハイジはまた自転車を漕ぎ始めた。
『…拾ったの??』
知らない男を連れて戻ってきたハイジに問いかけた。
ハイジ「10人目だ。」
Aはハイジの言葉に驚きながら青年に声をかけた。
『なんで万引きなんかしたの?』
ハイジ「警察には言わない。約束する。お前が何者か知りたいだけだ。俺は寛政大学文学部4年、清瀬灰二。彼女は同じく寛政大学4年、法学部のAA。お前は?」
「ハァ、蔵原…走……」
男は諦めたように名乗った。
ハイジ「蔵原…いい名前だな。」
『家は?この辺に住んでるの?』
走「いや、あの、寛政大で…」
ハイジ「んな!寛政大の学生か!学部は?!」
走「いや、もうまじで…」
ハイジ「後輩なら余計ほっとけないだろう!どこだ学部は。」
『ハイジ。落ち着いて。彼困ってるから。』
鼻の穴を膨らませ興奮を抑えきれていないハイジをAが止める。
『それで、学部は?』
走「……社会学部。あの、もういいっすかほんと!」
ハイジ「待てって。」
立ち去ろうと振り返った走の前に立ち引き止める。
走「んぇ!?」
急に前に現れたハイジに驚く走。
『ハイジこっわ…』
ハイジ「金がないのか?仕送りはどうした。」
走「アパートの敷金、全部雀荘で…」
『あらら〜それは困ったね…』
走の言葉に呆れながらも心配そうに返すA
ハイジ「うちに来い。」
走「『は?/え?』」
ハイジ「俺の住んでるアパートを紹介する。部屋に1つ空きがあるんだ。」
走「いや、だから金が。」
ハイジ「払える時でいい!任せろ。俺が必ず話をつける。」
『蔵原くん諦めな。こうなったハイジは止められないから』
走「いや、でも…」
ハイジ「先ずはコンビニだ!謝りに行こう。」
『ね?』
Aは笑いながら走の背を押した。
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夏夜 - 面白いです!!!!強く風が吹いているは今のところこのお話しかないので更新頑張って欲しいです笑 更新頑張ってください!待ってます! (2019年1月3日 0時) (レス) id: fcb91909ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな - アニメも小説も好きです頑張って下さいね (2018年12月29日 0時) (携帯から) (レス) id: 27a3e50045 (このIDを非表示/違反報告)
しきみ@ユキ推し - 風強小説少なくて、読めて嬉しいです。面白かったです。頑張ってください (2018年12月13日 1時) (レス) id: a02408bb7e (このIDを非表示/違反報告)
ヨナ(プロフ) - 面白いです!風強の小説がないんで嬉しいです!応援してます!頑張ってください!! (2018年12月8日 21時) (レス) id: 3ee8d37188 (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグを外されないならルールを理解する気も守る気もない悪質なユーザーとして違反報告します (2018年12月7日 18時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Blue | 作成日時:2018年11月28日 4時