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じゅうしち ページ9

「さて、まずは。おはようございまぁす♪」


悪ぶる様子の欠片も無く、ペコリと頭を下げて蒼太が挨拶をしてくるのを3人は戸惑った瞳で見つめあっている。


「あのさ…矢野さん。これはいったいどのような趣向で…?」


「ん?遠足だけど?」


「「「…えんそくぅ!?」」」


年功序列という暗黙の了解に、なけなしの勇気を振り絞り…鼻にティッシュを詰め込まれた残念なアイドルに成り下がってしまった秀の問い掛けに、蒼太は嬉しそうに答えを返した。


「こないださ、カナがみんなに一斉メールしてくれたでしょ?見てないの?」


「いや…見ましたけど…」


「だから、遠足なの」


くるり…と、まるで背中に羽根が生えているかのように軽やかにターンしてみせる蒼太。


華やかなライブのステージ上だろうと、人様の家の庭の片隅だろうと、そのダンスの美しさは全く変わらないところは流石だ…とメンバーは感心したが…。


「質問…してもいいかな?」


戸惑いながらもかけられた俊の声に、蒼太は悪戯小僧のような笑顔を向けてうなずいた。


「まず、ココはどこ?」


「楽園」


「そうじゃなくて…」


「にほん。じゃぱんの方がいい?」


「……………あの…」


「はいっ!!質問コーナーしゅうりょー♪ってなわけで、本日の指令…行っちゃいまーす♪」


「「「ちょっと待ったーっ!!」」」


情け容赦まるで無しの打ち切り宣言に、罪人たちから不満の声が上がり…。


それを聞いた蒼太は、そのほっぺたをリスのようにぷうっと膨らませた。

じゅうはち→←じゅうろく



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作者名:芥子 | 作成日時:2017年4月20日 12時

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