蒼の熱帯魚２ (ページ5)

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じゅうさんページ5

「ごーるいん♪朝倉さんちの真人くん、いっとーしょー!!」

まるで、運動会で１位でゴールテープを切った小学生のように、両腕を上げてジャンプしながら嬉しそうにはしゃぐ真人に俊が冷やかに対応する。

「朝倉くん…うるせぇ」

「もう岡俊ったら♪俺に会えて嬉しいクセに照れちゃって!!てか揃ったの久しぶりーっ！あ、これバナナ♪」

冷たい反応の俊をするりとスルーして、真人は『はい♪お腹すいたでしょ？』と２人にバナナを差し出した。

「ヤドカリのヒト追い掛けて行ったらね、ちっちゃいおサルさんがいてね、おっきなバナナの木に案内してくれたの♪とっても甘くて美味しいよ!!」

「え…」

「朝倉ちゃん…ありがと…？」

さすが、訳あり飼育員…。
うんうんと頷きながらニコニコ笑う真人の天然っぷりに、俊と秀も苦笑ながら微笑み返した。

「あとさ～、カナちゃんいたよ！」

「「ぇえ!?!?」」

こんな状態になっているのは自分達３人だけでは無いって事なのか!?
奏は別の場所に１人で放置されていたのだろうか？

不安げに顔を見合わせた俊と秀に、真人が状況を説明していく。

「何か…豪華なパラソルの下に大事に寝かされてたっ！」

「豪華なパラソル!?」

「無事なのか…？」

違う意味で、益々不安が増した２人に、のほほーんと真人は答える。

「うん！…あー…けど行かない方が良いと思うな～」

「「何で(だよ)!?」」

詰め寄ってくる彼等に、真人は今までとはまるで違う笑みを浮かべ…ニヤリと笑った。