じゅうに ページ4
腕をグーッと大きく伸ばしてストレッチを始めた俊の隣で。
呆然としたまま座り込み、その撫で肩をさらに下げて、秀は先程の俊の一言をブツブツと1人で反芻している。
「んーっ!!チョー肩凝ってるっ!!…なんかさぁ、ずーっと狭い所に押し込められてた感があるんだよなぁ」
「あのぅ…岡俊さん…」
「ここ、景色も最高だし空気も綺麗だけど…やっぱりどうも腑に落ちねぇ」
「…すみませーん、岡俊さーん」
「そういえば俺…昨日はトレーニングに行ってたんだ…。てことは、スポーツクラブからココまでの記憶が無いってことか」
「先程の件なんですケドぉ…」
「…そうだ!!思い出した!!インストラクターと話したあと、帰りがけに後ろから呼び止められて…」
「もしもーし、岡俊さん?さっきの…馬鹿か利口か分からないってゆーのは……」
恐る恐る問い掛けた秀に思考を邪魔された俊は…ゆっくりと振りかえると。
「あぁ?何か言ったか?」
「ひぃっ!!………何でもアリマセンっ!!(オニーサンたら「あ」に濁点がついてますからっ(T-T))」
涙目でプルプルと首を横に振る秀から視線を外した俊だったが…。
その時、遠方から凄い勢いで此方に近寄ってくる砂煙に気が付いて、何事かと驚いた。
「秀ちゃーんっ!!あ、岡俊だぁ!おっはー♪」
「あ…朝倉ちゃん!?」
「…………………アイツか…」
32人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芥子 | 作成日時:2017年4月20日 12時