蒼の熱帯魚２ (ページ18)

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にじゅうろくページ18

終始楽しそうな蒼麒に対して、船でのパーティに関してあまり良い印象を持っていない紫峰は、あからさまに嫌そうな顔を隠そうとはしなかった。

それは…過去に大事な友人が船上パーティの席でひどい目に遇わされたことが忘れられないから。

しかし、それをきっかけに好転した関係も実際にあるわけで…紫峰は複雑な心境をいまだに払拭出来ずにいたのだ。

「心配しないで紫くん。俺達が使う訳じゃないから。…実はね『五彩メンバーを全員連れてきてくれたら、島で釣り船乗り放題♪』って蒼ちゃんと約束してたのよ」

「釣り!?」

蒼麒は釣りのジェスチャーを華麗なまでに披露してニッコリ微笑んだ。

「そ♪フィッシング!!蒼ちゃんはさぁ『三度のメシより釣りが好き』なんだ。あ、もちろん一番好きなのはカナちゃんだけどね♪」

聞いちゃいない余計な情報まで付け足して、蒼麒の話は続いていく。

「『五彩』って、トップアイドルでしょ？みんな忙しいらしくてさ…なかなか集合出来ないんだって。だから貸してあげたのよ、ヤブちゃんとイノちゃんをね♪」

それを聞いた２人の顔から血の気がざざぁっと音を立てて引いていき…顔面蒼白のまま紅音が問いかける。

「ねぇ…『ヤブちゃんとイノちゃん』ってさ……蒼くん御自慢の…和輝くんを守るためだけに結成された通称忍者部隊…超攻撃派ＳＰ部隊のトップ２…藪沢君と伊野瀬君のこと…？」