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にじゅうよん ページ16

その昔…。


まぁ、大抵のオトコノコってのは、冒険とか探険とか…そういったモノが大好きな生き物で。


例に漏れず、探険ゴッコは蒼麒たち3人もココに来ると必ずといっていいほど繰り広げられた遊びのひとつであった。


ある時、その探険ゴッコの最中に、紅音が行方不明になるという事件が勃発し…。


当時、蒼麒の教育係をしていたベテラン執事である『じぃや』に全員がコッテリと絞られた…という今だからこそ笑える逸話があるわけで。


それを思い出して3人は笑いあっていたのである。


「蒼くん、じぃやは呼んだの?」


「もちろん!!だって、俺が一人前になるまでは絶対死ねないって…いっつも言ってるんだぞ?」


「しばらく会ってないけど、あい変わらず元気そうだなぁ…じぃや」


「隠居したとはいえ、ちょー元気だよぅ紫くん。多分、どう頑張っても残り寿命は50年ってトコだろうね、じぃやは(笑)」


「それじゃ、俺達より長生きするんじゃないの!?」


「違いない!!」


3人はまた、顔を見合わせ盛大に笑い出す。


今回の結婚式を…蒼麒は、家族と家族同然の親しい友人等しか招待しない、和やかなパーティにする計画で進めていた。


それもすべては…愛する和輝のため。


自分の一番愛する人を、大切な人達に紹介し…今後は、和輝の後ろ楯になって力を貸してもらえるように。


彼が悩んだ時には相談に乗ってくれる人を一人でも多く作ってあげたい。


『奥山の名前を背負う者』としての苦労は半端ないだろうから…少しでもその負担を減らせるようにと…。


いつも自己中心的で、好き勝手に生きているように見える蒼麒ではあるけれど、そういう気持ちを常に持っていることを知っているから……紅音と紫峰にとっては、協力を惜しむなんてことは一切あり得ない話なのである。


お互い口にはしないけれど、これも長年付き合ってきた『くされ縁』のなせるワザなのかもしれない。


蒼麒は飲み干して空になったコーヒーカップをテーブルに置くと、手元のスマホを見て…ニヤリと楽しげな笑みを浮かべた。

にじゅうご→←にじゅうさん



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作者名:芥子 | 作成日時:2017年4月20日 12時

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