蒼の熱帯魚２ (ページ2)

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じゅうページ2

『明け方の太陽は眩しく光かがやき、暗い闇の世界を一掃していく。

寝ぼけた目を擦りながら見上げた空には、雲一つない澄みきった青い空が美しく何処までも広がっていた。

視線をさげれば、足元には白い砂浜。
打ち付ける波は優しく、穏やかにそのリズムを刻んでいる。

爽やかに吹き抜けていく風が、何処からか彩り鮮やかな花や果実の甘い香りを運んできて………』

……って…。

ワタクシの名前は栗原秀。職業アイドル(笑)

本業の傍ら、報道の仕事もしたりしてるし、今、気持ち詩的な表現を…一応してみたりしたけれど…(回りクドイ)。

目が覚めたら見知らぬ場所。
しかも、白い砂浜に青い海。
まるで行き倒れのように砂浜に転がされた自分と、隣で同じように倒れている五彩のメンバーの２人…。

動かぬ頭の脳細胞を目覚めさせる為にも…まずは大きく深呼吸して、叫んでみたいと思います。

「……ここドコだよーーーっ!!!!」

「ワタシはダレーーーっ！」

誰にしていいのか分からない疑問をぶつける為に海に向かって叫んだ秀の声を追いかけて、もう１つの声が楽しそうに被せられた。

いつの間に目覚めたのか…隣で倒れていたはずの朝倉真人が、ニコニコと笑顔全開で秀に向き直っている。

「……朝倉ちゃん、今はふざけてる場合じゃ…」

「あーっ!!ヤドカリ発見っ！」

「………」

「………お前ら……五月蝿い」

見つけたヤドカリ(？)を追いかけて走っていく真人を返す言葉も無く見送った秀の後ろから、さらに呆れ果てたような声が彼に向かって掛けられた。