検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:41,308 hit

ページ3

.





12時。
お昼時になって社員の方々がランチへ行く。



わたしもそろそろ休憩だなって思っていたら
永瀬さんがエレベーターから降りてきた。

ん?こっちに来る?


隣で受付をしていた先輩から
きゃああ ! って声が。
すばやく前髪を直してる。早業。

そうだ、営業部はモテるんだった!





「 ちょっとキミ 」

「 …… わたしですか? 」





颯爽と歩いて声を掛けてきたのに、隣の先輩が答える。

そしたら永瀬さんが、
眉間に皺を寄せた。

機嫌悪い?





「 違う。左のキミ 」



永瀬さんが、こっちを見る。
茶色い瞳がキレイ。




「 何かご用でしょうか 」

「 さっき、対応した方わかる? 」

「 …… ヤマモト様ですか 」

「 うん、そう 」
あれ?関西なまり。






「 …… あの、その方が何か … クレームですか? 」



たまに、受付嬢にクレームがきたりする。

あの笑顔は俺を馬鹿にしていた!とか。
そんなことないのに。
みんな、心から笑ってるよ!

そんな理不尽な文句のせいで
別の企業に飛ばされちゃったり、クビなんて子もいた。


ああ、ついにわたしにもきたか …





「 いや、これは俺の個人的な興味 」

「 え?きょうみ? 」




思わず言葉遣いが … !

先輩に怒られると思ってチラッと横を見たら、
永瀬さんに目がハート。
こっちなんて全然みてない。





「 キミ、さっきお茶持ってきたね 」

「 はい 」

「 入ってきたとき、普段と違うところがあったやろ 」

「 …… 冷房、ですか? 」

「 正解 」



永瀬さんが、少し微笑んだ。
かっこいい。





「 あそこの冷房は効きすぎるのがネック。正直、ヤマモト様やなかったら5Fの方を使ってた 」

「 …… 」

「 寒いと文句言われるのを承知で7Fへ行った。しかしどういうわけか、一向に寒くならん。寧ろ快適な温度。そこにキミがお茶を持って入ってきた 」

「 …… 」





永瀬さんの瞳が、わたしを捉えて離さない。


金縛りにあったみたいに動けなくなった。









.

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (97 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
271人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

名無し74790号(プロフ) - 続き楽しみにしてます(;_;) (2015年9月30日 21時) (レス) id: cd49903b90 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても続きが気になりますo( TωT )o更新楽しみに待ってます! (2015年9月21日 21時) (レス) id: 5c21772d0b (このIDを非表示/違反報告)
名無し74790号(プロフ) - やばいです!面白いです!キュンキュンです!頑張ってください!応援してます(*^^*) (2015年9月20日 16時) (レス) id: cd49903b90 (このIDを非表示/違反報告)
はるち - どうもです(*^^*)はるちです!!頑張って下さい!!面白かったです♪ (2015年9月17日 22時) (レス) id: fb4b4f2984 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ごまゆゆゆ:) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/KinKon/  
作成日時:2015年9月16日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。