ウチの四兄弟 (ページ3)

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「最後ね！
そのお仕事のやりがいを教えてください！」

トリで、慶が元気よく尋ねた。

「うーん…
みんなにはまだちょっと難しいかもしれないけど、誰かから必要としてもらえるってことかな？」

下の3人はよく分かっていないみたいだけど、慶は何となく分かったみたいだ。

その話を聞いて、まだ俺が高3、Aが中3だった頃のことを思い出した。

話すと長くなるから、それはまた今度。

「あれ？でもそれって、施設でご飯とかおやつとかを作る仕事じゃなくても同じじゃない？」

「それを言ったら終わりだよー。」

Aが笑い、みんながそれに釣られた。

こんなとき、ホッとするのと共に、自分がそこに混じれないことに切なくなる。

笑っていたのも束の間、慶が爆弾を落とした。

「ちゃんと聞けて良かった！
これ、今度の授業参観で発表するんだよ。」

「待った待った！
え？授業参観で晒されるの？！」

晒されるって、他に表現があるだろ。

「やっぱり変えよう！
勉強したくないって理由で進路を決めるのは良くないよ！」

手がちぎれんばかりの手の平返しだ。

「おかーさん、うそはダメだよ？」

そして、シゲからそんなことを言われる始末。

「シゲ、この世には嘘も……場合によっちゃついていいって諺があるの。」

いま、絶対に方便が出てこなかったんだろうな。

諦めて言葉を変えた。

「うーん…でもやっぱりシゲ、よくないとおもうなぁ。」

「うん！かめなしせんせーも、うそはダメっていつもいってるよ！」

俺らの息子は、素直に成長しているみたいだ。

これにはAも叶わない。

「しょうがないなー。」

「授業参観、来てくれるよね？」

「いくよ、当たり前じゃん。」

「ぼくは？ぼくのは？！」

「タカの教室にも行くよ。
時間は半分半分ね。」

「えー、お母さん分身してよ。」

「ひみつ道具を出してくれるなら考えてあげてもいいよ。」

そう返されたタカは、口を尖らせた。

「じゃあ、ゆうがタカにぃをみにいく！」

「シゲ、けいにぃのところ！」

「二人は幼稚園でしょ。
そのうち嫌でも学校に行って勉強することになるんだから、遊べるうちに遊んでおきな。」

学校で思いっきり遊んでいたヤツが言うことじゃない。

「だったら、いまあそぼ！」

「いま？」

祐はトランプを取りに走っていった。

「あそべるうちに、あそんどくんだもん！」

その後、家ではトランプ大会が開催された。