結局任務�� ページ10
「へえ、そんなことをするとはね」
大丈夫。痛くても大丈夫。
すぐにはえるから。
腕の力だけで移動しようとしても私の腕じゃ無理がある。
刀は振れない。
血鬼術 藤の蔓
大量の血をバラまいて藤の花の蔓が色々な場所から生やした。
鬼は鬼らしく戦ってやる。
「素敵な術だね」
「はあ…っはあ」
苦しい。
だけど…下半身がなくたって戦える。
私は戦ってみせる。
「オニギリさん逃げて…っ！」
「…！？」
「早く！！」
状況を理解出来ないって顔をするオニギリさんにそう叫んで逃した。
周りの人たちには言っても聞けないだろう。
この状況でも何も考えていないような目。
「あーあ。逃すなんて」
「あんたの相手は私だよ」
血鬼術 花火種
指先を噛み切り手で銃の形を作って血の弾を飛ばす。
鬼はそれを全て避ける。
だけどこれなら距離を取ったまま戦える。
オニギリさんが逃げてくれたおかげで鬼と村人達の間に距離が出来た。
回復まで時間を稼げれば…
「やはり君は素敵だ」
そう言った瞬間、鬼は姿を消した。
「…どこに」
逃げられた？
いや、あの鬼はきっと逃げない。
「僕はね、地面を操れるんだ」
「え？」
そんな声と共に地面から現れた鬼。
後ろから抱きしめられる。
「この土地からは逃げられないよ」
「…っ」
「さっきの彼は後回しだ。きっと今頃地面に捕らえられて怯えてるはずさ」
近くに落ちていた私の日輪刀を拾った鬼はそれを私の首元に当てる。
「腹が立つよすごく」
「…離して」
「こんなに腹が立ったのは初めてだ」
このままじゃ殺される。
「ありがとう。君を愛してるよ」
そう言った鬼は私の首を少しずつ切っていく。
「…ッああ！」
痛い。痛い。
死んでしまう。
逃げなきゃ！
だけど抱きしめられてるから腕も体も動かない。
このまま死ぬんだ。
ごめん、みんな。
ボロボロ涙が溢れ出た。
役に立てなかった。ごめんなさい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 255人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：enen♪ | 作成日時：2020年5月1日 21時
