結局任務�� ページ9
「じゃあ人を怖がらせておいて生きてるなんて虫が良すぎるんじゃない？」
血鬼術 花火種
指先を噛み切り手で銃の形を作って血の弾を飛ばした。
「今の状況を分かっていないのかな」
「…っ」
グググッと下半身を締めるものに力が入る。
骨がミシミシ音を立てて今にも砕けそう。
「大丈夫。君は死なないからね」
「いやああ！！」
バキバキッ
嫌な音。たぶん、両足の骨が折れた。
腰まで上がってくる地面。
「そこで大人しく僕の食事でも見てなよ」
痛い、痛くて何も言えない。
止めなきゃ。
ここから出なきゃ。
刀を刺しても私を捉えた地面は力を弱める事もない。
考えていると民家からたくさんの人が出てくる。
「…っ来ちゃダメ！」
振り絞った声でそう伝えても誰にも届かない。
いや、聴こえてるんだろうけど
まるで心を持っていないみたい。
「ううっ」
痛くて仕方ない。
だけど、助けなきゃ。
私は死なないんだから。
「さあ、今日の分を差し出すんだ」
鬼の言葉に立っているのも不思議なくらい痩せ細った女の人が腕を差し出した。
「ふふ」
鬼は微笑みながらその女の人の腕にナイフを刺した。
「ぐあっ」
女の人の小さな声。
ぼたぼた流れ落ちる血は鬼が用意したであろう皿に溜まって行く。
「次」
鬼の言葉で次の人が腕を差し出す。
「やめて！！」
私の声なんて無視で。
「もう、もう…嫌だ！」
そんな声と走る音が聞こえた。
…オニギリさんだ。
きっとあの人もここの人たちと同じ目にあってるんだ。捕まったから。
「はあ。これだから新入りは」
そう鬼が言うと地面が動いた。
「オニギリさん…っ！」
オニギリさんが捕まってしまった。
鬼が近づいて行く。
「もう君は必要ないや」
そう言いながら鬼が牙を剥く。
鬼の呼吸 肆ノ型 鬼渡し
刀を投げる事で二度の攻撃。
鬼に直撃した。
「ぐはっ」
鬼が倒れ込んだと同時に私の元に返ってきた日輪刀。
鬼の呼吸 参ノ型 鬼蓮の羽衣
ふたつの方向から同時に刀を自分の体に斬りつけて下半身と上半身を離した。
「…はあ、はあっ…っはあ」
ドサッと音を立てて落ちる体。
腰から下がない自分の体。
痛くて頭がおかしくなりそう。
回復までに時間がかかる。
どうにかしなくちゃ。
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作者名：enen♪ | 作成日時：2020年5月1日 21時
