ワインの右腕と呼ばれた人間2【fell swap gold】

訓練と同義 ページ48

賞金首のようなその一覧に私達は息を呑む
うわ……私とワインとアルフィスだけやたら金額が高いんだが……

「上層部は普通科の連中全員に特進科を殺せば多大なる賞金を与えると触れ回っているらしい。サドンデスでは我々は狩猟で狙われる鹿同然になるだろうな。だがこれだけの額を提示するとは……上層部は余程我々を危惧しているらしい。やれやれ、この値段なら階級問わず全員血眼で殺しにくるぞ。」

笑いながらワインはペシペシと一覧をはたいた
それに怖がりのケルビムがたまらず顔を青ざめさせる

「な、なんで笑ってられるの……？殺されちゃうかもしれないんだよ？ていうか死んじゃうの確定だよこんなの！普通科に何人いると思ってるの！」

確かに普通科の面々に賞金首制度はない
故に結託して一気に襲いかかられる可能性のほうが高いのだ
数百人の兵士vs八人の精鋭
どう考えても不利がすぎる

「だからどうしたというのだケルビムよ。我々の目標の前にこんな事はマネキンを壊すことより簡単だ。」

「そんな馬鹿なぁ……」

涙目になるケルビムにワインはクククと相変わらず余裕だ

「心配するな。その為の作戦会議、それに例え相手が大勢だろうと問題はない。」

「え？」

「雑魚が蔓延ったところでやることは訓練と変わりないということだ。」

「いやんなわけねぇだろ……」

「本当にそう思うか？」

デネブの言葉にワインはニヤリと笑うと続けた

「諸君、此度のサドンデスは所詮生徒同士の訓練戦にすぎん。考えてもみたまえ。彼らはマネキンを相手に破壊活動をしたり、殺しをしない前提での組手しかしていないのだ。片や我々はどうだ？厳しい尋問訓練で死の影をその身に感じながら各自本物の武器を使った対戦闘訓練。我らが優しき上層部様のご厚意でここまで厳しい訓練を乗り越えてきたてはないか。この密度は最早三年の上級生を超えている。それにロイヤルガードに入れば無数の反乱軍相手に単騎で攻め入るなんて言うこともあり得る。それを考えたら経験浅き普通科のぼんくら共などマネキンと何も変わらん。上層部はこの訓練で私達に命を狩られる恐怖を叩き込み、かつ頭数が少しでも減る事をお望みの様だが、逆に我らが教えてやるのだ。我等に施した地獄の苦行がどれほどの怪物を生み出してしまったのかを。真のモンスターは我々だ、我々こそロイヤルガードにふさわしい。普通科など皆殺しにする勢いでこの訓練を制定した奴らを後悔させてやろうではないか！」

ワインの言葉にワァッッッと皆が沸き立つのを感じた

異論→←サドンデス

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