ワインの右腕と呼ばれた人間2【fell swap gold】

作戦決行 ページ17

「ありがとう…！ありがとうアリシアァ…！」

「お、落ち着けアルフィス！まだ戦いは始まったばかりだろう？」

翌日、アルフィスに泣き付かれ私は彼女の頭をなでていた
伝えた瞬間のあの覇気には流石に動揺した
すごかった、特に目力が

「これで、これでアンダインをいじめた奴らを…」

「いや、そう簡単にはいかんぞ。」

ふとワインが口を挟んだ

「先にアリシアの提案した警備の代わりならば制裁を下しても問題はないのだが…奴らと同じ立場の以上下手なまねはできない。暴力沙汰となれば生徒として罰せられ、退学になるかもしれん。」

「そんな…」

アルフィスの目尻が目に見えて下がった

「どうしたら…」

アルフィスは床に手をついて明らかに絶望のオーラを出していた
しかしワインは不敵に笑った

「だがこんなのはどうだろうか？」

「何か策があるのか？」

「ああ…あいつらが自ら退学しなくてはならないような状況に追い込めば良いのだ。いじめの証拠を出せば奴らはあっという間に追い込まれるだろう…問題は、教師達がそれをいじめととって罰を下すかだ…」

「どういうこと？」

「科学科の人間はもとより貴族の出身であったり高度な知識を受けられる環境下にいた者だ。その親たちが上層部に賄賂でも渡してみろ、もみ消されるぞ。最悪告発した我々に害が及ぶ。」

ワインは心底悔しそうな顔をした
それもそうだ
憧れていたトップがいまや廃れた屑の集まりと知れば幻滅もするだろう

「しかし期間は一週間ある。その間にうまくやればよいのだ。できる限りの証拠と根回しをすればいい。よってここで役割分担をする。アリシアは隠密活動、校内をくまなく散策し、いじめの現場を発見した場合は干渉はせず写真等で証拠を集めろ。決して危害は加えるな。いかなる事をされていても己を殺してほしい。その代わり、発見した際即刻アルフィスへ連絡しろ。」

「了解した。」

「アルフィスはボイスレコーダー係だ。アリシアがいじめの現場を発見した際、連絡が行くのでその場に急行し、いじめの現場に干渉してくれ。ただし実害は与えるな。あくまでアンダインの救出と何が為にいじめをするのかうまく聞き出してほしい。相手が攻撃してきたらよけてアンダインを確保後逃げろ。理由はへたに手出しをした際先に手を出したのはそちらだと言われないためだ。」

「わ、わかった…少し心苦しいけど…」

「私は生徒と信頼関係を築いておく。味方をつけるためだ。それでは明日から行動開始、健闘を祈る。」

「「Yes,sir！」」

こうして私達は翌日から作戦決行をすることにした

嘘だ→←思惑の中で（アリシア＆ワイン＆NOside）

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