鬼が二匹 ページ3
気がつくと檻のようなところにいれられていた
昨日…あぁ…そうだ。
確か捕まっちゃったんだったかな
私も殺されちゃう?
無惨な姿で殺された母を思い出して気持ち悪くなる
と真横から微かに声が聞こえた
「ん…」
男の子が寝ている
白髪の小柄な男の子
この子は誰だろう
どうしてこんなところにいるの?
この子も
不思議に思いまじまじと男の子を見つめる
長いまつげ、整った顔立ち
まるで童話に出てくる王子様のよう
けれどひとつ違うのはボロボロの身なり
「もったいないな」
そう呟くとゆっくりの瞼を開け、男の子はこちらを見る
「誰…」
擦れたとても小さな声でそう呟く男の子
「私、A」
自分が思ったよりも小さな声で答えた私の言葉はちゃんと彼に届いただろうかだろうか
そんな不安を抱え、男の子の方を見るとこちらを見て黙っている
「綺麗な目だね
私好き」
思わずそう話しかけると男の子は驚いたような顔をしたあとなんだか怒っているように顔を歪めてそっぽを向いてしまった
「そ。」
私から1番遠い隅まではなれてしまった男の子は一切こちらを見ふことは無かった
どこか居心地が悪くなってしまって足元にあった石をいじる
しかし一部尖っているものがあったらしく、手を切ってしまった
「いたっ」
そう思いながら傷口を見ると
みるみる傷口が塞がっていった
「?!」
男の子は驚いた様子でこちらに近寄る
「治っ・・・た・・・」
「え?」
上を見上げ男の子と目が合う
少し男の子の瞳に光が点ったような気がする
「いや、普通は治らないよ」
その瞬間母の言葉を思い出す
【「あなたは変わっているから・・・」】
あぁそうか、お母さん
これが彼らと違う所なんだ
「私・・・殺されるの?」
思わず声が震える
私の言葉を聞くと男の子は顔を伏せた
「殺されることが出来たならどれだけ幸せだったんだろうな・・・」
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作者名:ヘアリー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HAK/
作成日時:2019年2月22日 21時