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こじらせ ページ9

急いでシャワーへ向かい、冷水で頭を冷やそうとした。

だが、そんな方法も効かず、ベットに腰かけたときに既に自身に手を当てていた。
激しい興奮と高ぶる感情が苦しい。彼女の顔を思い出しながら想いを出した。

何度も何度も出した。気持ちが収まらない。自分を冷静にすることが難しかったが、室内の冷たい空気にいくらか慰められて、少しの興奮を残しながら強制的に寝ることにした。

金曜日、翌朝。彼女がいるコンビニへ向かう。睡眠不足の顔はさぞかし酷く見えるだろう。ああ、ダメだ。頭が働かない。彼女に会うだけで、こんなに緊張するなんて。ほんとにどうかしてる。

丁度彼女は品出し中だった。数本の缶コーヒーを片手に。

何を思い立ったか、俺は彼女の背後を取っていた。

「名前教えていただけませんか」

ふわふわの頭で出た言葉は開口一番、ナンパ文句だった。やっちまった。

『?!、、え?え?あ、、A、Aです、、』

とても驚いている。可愛い。だが、Aから視点ではホラーすぎる光景だろう。

(A、Aさんて言うんだ可愛いなぁ、、、)

ショートした理性での思考は、ほぼ考えて喋っていないだろう。すべてが吹っ切れた。

「明日、お話しませんか?」

『え、えぇ、、いい、ですけど』

急に背後を取られて、怖い顔で詰め寄られて、急接近されたらA自体もさぞ困惑だろう。

返事を貰い、満足したのか俺はそのまま踵を返して何も買わず店を出た。

会社が終わり帰宅後、半分の後悔と半分の嬉しさに感情が揉まれた。

「明日ついに、、、」

この瞬間を待ち望んでいたとばかりに期待が膨らんだ。

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作者名:塩分過多 | 作成日時:2023年12月27日 23時

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