予期しない状態が発生しました【Bs63/21】 (ページ17)

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「う～ん、、、それは危ない匂いがするね」

『だから、最近夜も眠れなくて、、、』

「そっか、、、だったらさ、、」
「俺の家に住む？」

彼の発言はまさかの同棲のお誘いだった。確かに女一人で危険なところで住むより、頼もしい彼がいるここに住むほうが安全だと思った。

正直、大好きな彼と住めるし安全だしメリットしかない。だけど、社会人の彼の家に急に同棲なんて心の準備ができていない。

『で、でも迷惑じゃないですか、、、？』

自分が彼の家にいたら緊張でどうにかなりそうだった。だからせっかくの彼の誘いを断ろうとしてしまった。

「そんなことないよ。住みな？」

彼の顔が少し近づいてきた。その行為に胸がはじけそうなほどドキドキした。

『やっ、、でも、、！』

「住め」

急に暖かった空気が一瞬にして冷えた。急に強まった口調にあの時と同じ恐怖がフラッシュバックした。怒ってる、、？でもこれは私を本気で心配してくれている彼なりの優しさなのだろう。

私は強制的に彼との同棲を始めさせられた。

◇・◇・◇
63/21side

俺はついに彼女を同棲させることに成功した。ここに来るまで長かった気もするが、短い気もする。

由伸が俺の恋を手伝ってくれて、とことん俺に尽くしたそのおかげだ。

このことを由伸に伝えると「颯一郎の喜ぶ顔が見れてよかった」と言ってくれた。本当に良い友達を持ったなと思う。