違和感の正体 ページ14
彼女は大学生ということもあり、家に招待するのは数週間後にした。
さすがに全ての週末を俺と過ごさせるわけにはいかず、自由にしてあげるのが普通だと思った。
でも彼女と話せない今週末は寂しい。そんなこんなでぼんやりしていると、スマホの通知が鳴った。
誰かと名前を確認すると、相手は由伸だった。
山本ねえ今から家いっていい?12:42
別にいいけど12:42
今から由伸が来るらしい。あいつも暇なのか?
◇・◇・◇
俺はいてもたってもいられず、今日という日に家に押し掛けることにした。
そうすれば何かしらの原因が分かるという自分なりの探り入れだった。
マンションのゲートを通過し、部屋の前につく。インターホンを鳴らし、扉を開けた颯一郎はラフなスウェットを上下着ていた。そこでドアノブを持つ手の袖が赤くシミついているのがわかったが、特に気にしなかった。
「めずらしいな、家にくるなんて」
18「確かに、最後に来たのいつだっけな、、、」
「まあ、くつろいでいって」
颯一郎の部屋は物が少なく最後に来た時より物が片付いていた。俺も見習いたいほどの綺麗さだった。颯一郎がお茶を用意しにキッチンへ向かっている間、暇をつぶすために何かないか部屋を物色した。
しばらく目についた本を読んで時間を過ごしていると、颯一郎が戻ってきた。
18「前より元気そうだな」
「なにそれ笑いつも元気だけど」
18「いや、そんなことなかった」
「えぇ、そう?別に変化ないけど、、」
18「あの例の好きな子はどうなったん?」
「まあ、ぼちぼちだよたまにコンビニで話すくらい」
18「さすがにそんなすぐ発展しなかったか〜颯一郎も奥手だな笑」
「俺は、ちょっと会話できるでけで十分だし」
18「そんなこと言って〜ほんとはめっちゃ気になってんだろ?」
「そんなことねえって笑」
嘘だ。颯一郎が今話していることは全て作られた言葉だと思った。やっぱり、颯一郎はおかしい。昔から俺は勘が鋭いと言われてきたが、今回もやはりつっかかる。
それは、この颯一郎の部屋に入ってからだった。
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作者名:塩分過多 | 作成日時:2023年12月27日 23時