予期しない状態が発生しました【Bs63/21】 (ページ11)

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好き、大好きページ11

63/21side
　
詳細を話さず立ち去ってしまったが、彼女はいつもの時間にコンビニの外で待っていた。
従業員の制服とは違って私服を纏った彼女は一段と可愛い。

「すいません、急に呼び出してしまって」

『いえいえ』

急な誘いに乗ってくれたことが嬉しかった。彼女に自分のことを話すと楽しそうに聞いてくれた。
そして、緊張が解けたのかAさんの好きなもの、趣味、住所、連絡先など、あらゆる情報を教えてくれた。

(意外と口軽いんだな、、、)

見ず知らずの男にこんなに教えてもいいのか、嬉しいから別にいいけど。

『あの、どうして私を誘ってくれたのですか？』

純粋なその質問に一瞬戸惑った。彼女の純粋な目で見上げられては、何て言おうか迷う。

「うーん、気になっただけですかね、、」

彼女は納得してなさそうな表情を浮かべている。嘘をつきたくないが、本当のことをさらけ出したら何て思われるか。うまく誤魔化す以外に選択肢はなかった。

会話を終え、俺たちはそれぞれ帰宅した。といいたいとこだが、ダメと分かっていても俺は彼女の後姿、ほんのり嬉しそうにはにかむ顔、そして私服姿のA、すべてをカメラに収めてしまっていた。

もちろん会話も録音していた。俺は帰宅後、メモに彼女との会話を書きコルクボードに貼った。そのコルクボードには既にたくさんのAの情報があった。彼女の大学、家族構成、バイト中の写真など、俺は行くとこまで行っていた。

そして今日得た情報を書いた俺は充実感でいっぱいになり、またひとつふたつとメモが増えた。

きっと、彼女は気づいていないだろう。