予期しない状態が発生しました【Bs63/21】 (ページ2)

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耐えられないほどの得体の知れない感情がこみ上げてきたので俺はそそくさと会計をして店を出た。

高鳴る鼓動を感じる。体がどくどくと脈打っている。車に乗り込みふと横の窓を見ると反射して映った自分の顔はひどく紅潮しているのがわかった。

「、、、どうしちまったんだ俺」

車にエンジンをかけたが一向に発車する気がない。顔を手で覆い、手の冷たさで一旦顔を冷やした。

じわじわと手に伝わる熱があつすぎる。
一回深呼吸して、落ち着いたところでコンビニを後にした。

(あの子、、名前なんて言うんだろ)

車を走らせている中ずっと先ほどの笑顔が忘れられなかった。

◇・◇・◇

朝イチのシフトで入ったため、眠たい目をすこしこすりながらバイト入りをした。

まだ終わっていない品出しがあるため、せっせと在庫を店内に運び出す。今日一番に手に取った商品の箱を確認すると自分が愛してやまない缶コーヒーの箱だった。

(このコーヒーおいしいから絶対人気だよね、、、)

重い段ボールを抱え、店内に続くドアを開けると目的のショーケースの前にお客さんがいた。
遠目から見てかなり高身長でスーツを着ていたお客さんだった。

(わっ！脚なっっがぁ～！、、、)

外側通路の商品棚は２メートル近くあるのだがそれと同じくらいの高さをしていたので、外国人客だと思った。

近づくと何故か神妙な表情をして缶コーヒーのレーンを眺めていたので、これはもしや、、、？と思った。

それでも神妙な顔で見つめる姿に何となく圧を感じて低姿勢で入った。

『すみませんお客様、品を入れ替えますので前失礼します。』

するとお客様はこちらの存在に遅れて気づいたようで、反応も少し遅れて後ろに下がった。
真剣に考えているお客様のために早く退こうと手早く段ボールを開封した。