「お前に聞いてへんねん」 ページ10
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一方、その頃
Aの教室ではとんでもない光景が繰り広げられていた。
あの口数の少ない、極めておとなしいAが
侑に告白した委員長をロッカーの壁際まで
追い詰めているではないか。
『なんで嘘ついたん?』
穏やかな声。
けれど誰が見てもわかる刺々しい雰囲気。
「ど、どっちかと付き合いたいとかみんな思っとるし!」
『そんなん聞いてへん。真剣に侑好きや言うたのに嘘ついたんはなんでって聞いてんねん』
____________ドンッ。
クラスメイトの視線が集まる中
委員長は「うるさい!」と、Aの両肩を
強く押し退けた……が、その手を早く退けるべきだったのに、Aの肩を掴んだままだったのがいけない。
Aは自分の肩を掴む委員長の
手首を掴み、クルッと捻る。
「ッ…ー!こんなんして、退学なってもええん!?」
『ならへんで。正当防衛やもん』
Aの感情は単なる怒りではない。
親が子を、兄や姉が弟や妹を守るそれだった。
「やっぱりな」
そしてちょうどその時、Aを探しに来た
侑と治が状況を察知して即座に教室に入る。
二人は知っている。
Aは"先に手を出された場合にしか手を出さない"。
…けれど、
怒りのボルテージがマックスになると
正当防衛で何倍にもして返す。
例えるなら侑のマジギレ級に怖い。
「なにしてんねんA」
『肩押されたから、正当防衛』
委員長の手を捻ったまま
侑の問いに淡々と応えるA。
「ちゃう!Aちゃんが言いがかり…」
「お前に聞いてへんねん」
侑の冷めた目。
委員長の背中に冷たい汗が流れる。
Aに手を離されても、暫く動けないでいた。
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湯たんぽ - ほのぼのと自分のペースでがんばって下さい!ファイト(^○^) (2017年12月8日 17時) (レス) id: e17635b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
オボエル(プロフ) - 湯たんぽさん» ありがとうございます^ - ^! (2017年11月6日 13時) (レス) id: 39e3fe5643 (このIDを非表示/違反報告)
オボエル(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます^^新作も是非^^ (2017年11月6日 13時) (レス) id: 39e3fe5643 (このIDを非表示/違反報告)
湯たんぽ - この作品大好きです!応援してます⊂((・⊥・))⊃ (2017年11月6日 0時) (レス) id: e17635b3c6 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - すごくほのぼのしてて可愛らしい作品ですね!宮兄弟大好きなのでこの作品に出会えて嬉しいです! (2017年10月26日 0時) (レス) id: 6d239d888e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オボエル(風間さんα) | 作成日時:2017年10月8日 18時