Mother.Merry 3 【世界一クラブ】

ep32. And Foul is Fair ページ7

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それから...二週間ほどが経った
最初こそは、お互いをマネする
なんて難題では？と思っていた
が





服、趣味、声の張り方、しぐさ
今となってはそれは完璧なもの
となった




「おはよう、クリス！」



ク「すみれ、おはよう」




演技がずば抜けているクリスでさえも
騙せてる、きっと誰も正体を疑わない
だろう






徳「...すみれ、何か変わったか？」



「え？」


徳「いやなんだろう...雰囲気
とかが柔らかくなった気が？」



「ぃ、いやだなー！あたし
はいつでも優しいじゃん！」




徳「いや無いだろ...」



「何ですって？」






『光一にだけは
バレちゃダメよ』




健太や光一とは十年来の仲
流石に騙し通せるかは賭け
に等しい




『動揺を見せたら光一は絶対
に勘づく、だからバレそうに
なってもヘーゼンとした顔を
して』





『やっぱり、誰かになる
って大変なんだね...』




『そりゃそうでしょ！そんなの
あんたが一番 分かってるでしょ
？』





以前の私なら一人でいる事は慣れっこ
だった、しかし今は...■の血を飲んだ
影響なのか其れが怖い





だから...人に必要とされてる彼女が
羨ましい、例え一瞬だったとしても
私は『彼女』にもなりたい




■になるまでの気休め
を、失いたく無いんだ








す「...主、マスター」




あたしとは違う、特別な...唯一
■■達だけが呼ぶ事を許された
名前をあたしは呼んでる




す「光一は...あたしに気付い
てるかな？気づいてて欲しい
な...」


羊「メェ〜」




す「...ねぇ、光一は.....
あたしに気付いてくれる
かな？」




子羊を抱っこしながら、すみれは
雲海の中から覗く光に照らされた
海を眺める





光一は気づくと思う、あたし
とAの違いはかなりあるし





でも、もしも気づいてなかったら



もしも





す「あたしを、Aだと思ってたら...」





きっと、チャンスはある

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