天使のスカビオサ (ページ3)

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戦闘天使ページ3

私が降りたのは街の中心から少し外れた所。
街やそびえるタワーなど、賑やかな観光地は目と鼻の先。
だけどここは何故かひっそりとしている。

いや、音がする。
カンカンと工事現場の足場をよじのぼり、中に入る。
柱と柱の間を通り抜ける。
急に視界が開けた。広場みたいなところに出る。

そこでは異形と異形が戦っていた。

「うおっ！ルナちゃんじゃん！」

にこりとして、そいつは言った。

『ノアさん、お疲れ様です。加勢しましょうか？』

「いいよ、キミ、戦闘には向いてないんだからさ。」

彼はノア。彼も天使である。
だが、私と彼では姿形が違う。
私は神と人の通訳をしている。だから、わり人に近い見た目をしている。
しかし、彼は皇帝暗殺を目論む宇宙人と戦うために、恐怖を与えるような姿をしている。もちろん、与えられた能力も違う。
でも、彼は私を戦闘能力がないと言ったけれど、そんなことはないと思う。
少なくとも回復役として腕の1、2本ぐらいはくっつけられる。

『でも、こんな街中で長引く戦いなら、役立たずでも応戦した方がいいのかなって、わざわざ寄ってきたんですけど・・・。』

「うーん、そうだね。」

ノアは考えた。

「・・・じゃあごめん、コイツをキミ一人で足止めしといてくれないかな？」

『えっ？一人でですか？』

ちょっと流石に荷が重い。

「ボク、昼飯まだなんだよ〜。じゃっ！」

『えっ？ちょっと・・・。』

宇宙人がこちらを見つめている。

『マジか・・・。』

私は額を抑えて、勢いよく助走をつけた。