何で私が貴方のーー

13 貴方 ページ13

『うっ…がわいぞうに…ひっく…うう…』

私は結構涙もろくすぐ泣いてしまう
感動系の物を見るとすぐこれだ

『あー

泣ける泣ける…はー…月…見たくなって来たな』

カララと音を立てて自分の部屋にあるベランダに出た

優しい夜風がAの髪を揺らした

空は真っ黒の夜空に少し灰色の雲が出ていた

『満月ではないけど…綺麗…三日月って満月の次に好きだなー』

そうして十分ほどたった頃

『あっ！ヒット！おかえり！』

私が手を振るとヒットはポケットから手を取り出して少し振り返してくれた

急いで下に降りた

『おかえり！遅かったね！』

「いつもよりは大分早い方だ」

『ええ！？そうなの！？さみしっ！』

「寂しいのか？」

笑われた…くっそう…

『大体！こんな時間まで嫁をほっとくなんて駄目よ！』

「…それを言われるのは二回目だ」

『あ、そうなの？でも、なるべく早く帰って来てほしいな！』

私が拗ねた顔で言うと

「暗殺は夜にやる方がやりやすい」

『そりゃそうなんだろうけどさ…

あ、そうだ、ヒットこの本見つけたんだ！

もう私泣けて泣けて…うっ…思い出したら涙が…』

「そんなにか？」

『うん

内容もすごく素敵なんだよ！』

「へぇ」

興味無さそうだな…

「お前は昔からそれが好きだったな」

『え？私この本好きだったの？って言うか今昔って言ったけどどゆこと？』

「そう言えば教えて無かったな

お前はもう300ほど生きている」

？？？？？？？

『へ……？』


『ええーーーー！？


そ、それじゃあ私おばあちゃんじゃん！』

「俺は1000年以上生きているが？」

『えええええええ！？』

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