当て馬気質 87 ページ42
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結局、折れたのはセンラの方だ。
ふっ、と柔らかい 笑みを零したセンラは、まぁ おめでとさん、と。
｢ まだ素直に祝われへんけど、おめでとうとは思ってるよ ｣
｢ ありがとう センラー!! ｣
｢ うおっ ｣
おめでとう、と言われた坂田は 私の手を離して がばりとセンラに抱き着く。センラは なんやねん気持ち悪いっ、なんて言いながらも 笑顔で坂田のことを受け止めていた。
私の事で 仲が悪くなる、なんてことは無いだろうとは思っていたが やはり目の前でこう仲良くしているところを見ると安心する。
無意識の内に ほっと出た息が、実は不安だったんだという実感を持てた。
センラから離れた坂田は、志麻くんにも報告してこよーっと、と 志麻のクラスへと走って行く。
残されたセンラは、元気なやつやな と坂田を優しい目で見送っていた。
｢ あの、ありがとね、センラ ｣
｢ 別に。お礼言われることなんてしてへんし ｣
｢ んー…それでも。色々救われた事もあったし ｣
｢ そっか ｣
私の言葉に優しく笑ったセンラは、すっと私に手を伸ばす。けれど その手は ぐっと空を掴み、私に触れることの無いまま 元の位置へと戻って行った。
｢ ま、これからも 友達兼マネージャーとしてよろしゅう頼みますわ ｣
｢ こちらこそ ｣
｢ 坂田となんかあったらいつでも俺ん所来てくれてええから ｣
最後に そう言って、センラは私から離れて行った。本当に、最後の最後まで優しい人だ。
きっと、これから先も 彼の優しさには救われていくのだと思う。
それでも、やっぱり。
何があっても、私が好きだと思う人は 坂田一人なのだろう。今までも、今も、そしてきっと これからも。
ずっと叶わないと思っていた。
当て馬ばかりしている彼に、私のことを好きになればいいのにって、隣で思っているだけで。
幼なじみから抜け出せないで、これからも、と。
人の気質、なんて簡単に変えられるもんじゃない。そうやって諦めて、坂田のことも諦めようとしていた。
でも、それも全て 卒業出来たのだ。
当て馬ばかりやっていた坂田と、共に。
｢ 幸せそうだね、A ｣
｢ うん。すっごく ｣
今でこんなに幸せなのだから、“幸せにする” と言っていた坂田と進むこれからの道は もっとずっと、幸せなのだろう。
私はそんな日に 思いを馳せながら、戻ってくる坂田を待っていたのだった。
-Fin-
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零生(プロフ) - ルテメナさん» ありがとうございます〜！私も自分で作り出したオリジナルキャラでみやのんはトップレベルで好きなので嬉しいです！ (2019年4月5日 22時) (
レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
ルテメナ - 少し遅れましたが、完結おめでとうございます。お疲れ様でした！もうちょっと早くこの作品を知りたかったですw なんというか、みやのん大好き。(え) (2019年4月5日 22時) (レス) id: 725488054e (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - キャンディットさん» キャンディットさん! いつもコメントありがとうございました!! 更新の力にさせてもらっておりました。私も大好きです! 本当にありがとうございます!! (2018年12月28日 20時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディット(プロフ) - すごく、すごく良かったです！！もう高評価１つじゃ足りない…。完結おめでとうございます！！零生さん好きです！！(?) (2018年12月28日 18時) (レス) id: 8583ad440a (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - もかさん» 長い間のお付き合いありがとうございました！私も書いていて、幸せになってよかった〜と思っております笑 他の作品も頑張りますので、良かったら覗いてやってください！ (2018年12月27日 16時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
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