当 て 馬 基 質 II ( となりの坂田。)

当て馬気質 86 ページ41

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｢ おはよ〜 ｣


｢ お、A おはよう ｣




ーーー文化祭があけ、次の日。片付けの為に登校した私は 早速みやのんの元へと駆け寄る。

…因みにだが、学校には坂田と二人で来た。
まぁ、いつものことと言われてしまえばそれまでだが、付き合ってから初めての登校は やっぱりそれとなくドキドキはした。



顔が緩んでいたのか、上手くいったの? と嬉しそうに問うてきてくれる みやのんに、うんっと元気な返事を返す。
そっかよかった〜 と安心した笑顔を向けた みやのんは、で、と。





｢ 結局 どっちと付き合ったわけ? ｣


｢ あ、｣




そういや、みやのんには散々いろんな話をしていたのに どっちと花火を見るかなんて報告もしないまま 走っていってしまったのだ。

まぁ予想はつくけど、と いったみやのんに、実は…と口を開こうとすると、後ろから誰かに引っ張られて ぽすっとその人の胸に頭をぶつける。


ちらりと見上げると、そこにはニコニコ顔の坂田がいて。





｢ 僕の 彼女になりました! ｣


｢ ま、だろうと思った。なんだかんだA、ずっと坂田のこと好きだったもんね ｣


｢ へへ、そうなんや ｣


｢ し、知らない ｣





嬉しそうに私を見る坂田から目を逸らして そう答えると、ツンデレめ〜！と頬をつついてくる。
えーい、うざったい！付き合い始めて浮かれるのは分かるけど うざい！可愛いけど！あと恥ずかしい！



仲良しで何より、とみやのんは笑ってくれたのだが その横から 何よりちゃうわ、と 殺気立った声が落とされる。
驚いてそちらを見ると、おはよう、と笑顔のセンラが立っていた。笑顔なのに全く雰囲気が柔らかくない…!!



あまりセンラを怒らせたことの無い私は 冷や汗をかく。それに、昨日の今日で 坂田とベタベタくっついてるのを見せるのは なんだかな、とも思い 慌てて坂田から離れようとするものの、彼は何故か頑なに私を離そうとせず。

私の真後ろに立っていた坂田は、隣に移動して 私の手をぎゅっと握った。
困惑しながら坂田を見上げていると、ニコニコ顔から一転 真剣な表情の坂田は センラのことをじっと見つめていた。






｢ なに？さかたん 真面目な顔して ｣


｢ …Aと付き合うことになった ｣


｢ 見てたらわかるよ んなもん。というか、昨日 Aちゃんが走ってったの見た時から予想ついてたし ｣


｢ 一応、ちゃんと言うとかんと と思って… ｣




じっと数秒、二人は黙って見つめあっていた。

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